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長崎市の男児誘拐殺害事件はあす一日、発生から一カ月になる。九日に補導され、家裁送致された中学一年の男子生徒(12)は、観護措置をいったん中断、精神鑑定のため長崎少年鑑別所に留置中。社会に衝撃を与えた事件の波紋と現況を見つめた。
献花台
四歳の種元駿ちゃんが遺体で見つかった長崎市万才町の立体駐車場脇の献花台には、供え物が後を絶たない。三十日、全国高校総合体育大会(長崎ゆめ総体)に参加する静岡県の浜松日体高校一年、山本明日香さん(16)ら二人も缶ジュースを供え「天国で安らかに。わたしたちも競技に全力を尽くします」。
少年
家裁送致後、鑑別所に収容された当初は「眠れない」と漏らしていたという少年。次第に落ち着きを見せ、参考書で勉強するなどしていたという。付添人弁護士との初の面会で「自分が分からなくなった」と話したが、その後は「少年の口から言葉が出てこない」(付添人)
遺族
遺族側は二十二日、代理人弁護士を通じて手記を公開、「(少年には)極刑を望むが、不可能なら今の法体系でできる最も重い処分を科すよう強く希望する」と訴えた。「真相を知りたい」「裁判官に直接心情を聞いてほしい」との意向を受け、代理人は審判記録の閲覧や意見陳述などの手続きを進めている。
幼稚園
四月から駿ちゃんが通っていた長崎市滑石三丁目のみやま幼稚園(石本シズヱ園長)は夏休み中。ひっそりした園内には、父母の会や卒園者から届いた千羽鶴が飾ってある。「両親とお会いする機会ができたら渡したい」と石本園長。
地元自治会
少年が住んでいた集合住宅の自治会は二十三日に臨時総会を開き、通常総会よりも多い住民が出席したという。自治会長は「ようやく落ち着いてきた感じ。自治会行事には以前より多くの人が参加し、結束の大切さを実感しているようだ」。
家電量販店
駿ちゃんが連れ去られた長崎市三芳町の大型家電量販店は、事件について一切「ノーコメント」。県警は、事件を機に県内の量販店などに録画機能付き防犯カメラの設置や、注意を呼び掛ける店内放送などを依頼。「事件後、子どもの手をしっかり握る客が目に付く」とある施設関係者。
商業施設
昨年来、幼児へのいたずらなど類似事件が発生していた長崎市北部の商業施設。注意を促す張り紙が目立つ。防犯カメラを増設、警備員の巡回も増やした。施設側は「お客さまに不安を与えたくないが、同様の事件は二度と起きてほしくない」と苦渋の表情。
保護者
少年が通っていた中学校の育友会関係者は、子どもの表情に気を配る日々。「(少年が補導された)直後は生徒は一様に暗い顔をしていた。今は空元気かもしれないが、表面上は元に戻った」「保護者はみんな悩んでいると思う」と話す。
長崎市教委
「あってはならない現実に直面した。すべての幼稚園、小学校、中学校にかかわる対応で目まぐるしかった」と振り返るのは長崎市教委学校教育課の松尾孝一課長。各学校には必要に応じて家庭訪問や面談を指示するなど、動揺に気を配っている。
2003年7月31日長崎新聞掲載
http://www.nagasaki-np.co.jp/press/yuusatu/07/119.html