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(回答先: 冷静運転手 スピード解決 終始なだめ説得 信濃毎日新聞 投稿者 エンセン 日時 2003 年 7 月 29 日 13:29:50)
監禁1時間 凍る車内 「初めから怖い感じ」
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「おれの言うことを聞け」。包丁を手にした男が運転手に向かってすごんだ。その瞬間、夏休みに入ってほぼ満席だった車内に緊張が走った。二十八日、夕暮れの上信越道を走っていた東京・新宿発長野行きの高速バス。「警察官を集めろ」という要求に運転手は「すぐにお巡りさんは来るから」と懸命になだめた。落ち着きを取り戻した男は、一時間後には包丁を手放し、警察官に取り押さえられた。事件解決を知った乗客の家族やバス会社の関係者は胸をなで下ろした。
「行ける所まで行け」。左隣に座っていた男は突然立ち上がって、運転席の方に歩き出し、三十センチほどの包丁を運転手に突き付けた―。休暇で東京に出掛けていた会社員山浦さえ子さん(25)=長野市青木島町=は怖くて、動けなかった。「凍りつきました…」と青ざめた表情のままだった。
新宿のバスターミナルでバスに乗り込んできた時、日野譲司容疑者(21)は細長い箱を持っていた。「ジロジロは見られないけれど、初めから何か怖い感じだった」。眼鏡を掛け、ブルーのシャツ姿。一見まじめそうに見えた。だが、赤いズボンは汚れ、穴が開いていた。「一体どんな人なのだろう」と思った。寝ている乗客が多い中、一人だけ背筋をピンと伸ばして、終始きょろきょろとしていた。
誰も降りなかった埴科郡坂城町の停留所を通り過ぎ、トンネルに差し掛かった午後六時四十分ごろ、日野容疑者は急に立ち上がった。前を横切って、急ぎ足で運転席の方へ進んでいくのが見えた。その時声が聞こえた。「動くな」
音楽を聴いていた乗客もヘッドホンを外し、車内に緊張感が走った。「下手をすると私が刺されるかもしれない」。不安がよぎった。
そのうち男は「警察官をなるべく集めろ」と要求し、運転手に連絡を取らせた。山浦さんは「長時間になるかもしれない」と、周りを見渡した。斜め前と後ろの席に若い男性が二人いることを確認。「いざとなったら(一緒に行動を起こす)合図をしようと思った」。バスが松代パーキングで止まり、運転手が「ここで解放していいんですか」と容疑者に問い返す声が聞こえてきた。やっと助かったと思った。
http://www.shinmai.co.jp/news/2003/07/29/007.htm