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http://sentan.nikkeibp.co.jp/pm/azuma.htm
「(ゲノム薬理学を導入することで)、結核治療だけでも、年間約100億円程度の医療費削減効果があるだろう」と、大阪大学大学院薬学研究科臨床薬効解析学教授の東純一氏は推算している。
東氏によると、現在、国内では年間約4万人の新規結核患者が生じている。そのうち、約10%に当たる4000人の患者は、結核治療薬のイソニアジド(INH)の代謝が遅い遺伝子多型を有し、副作用が生じていると予想する。
そのため、薬物代謝に関連する遺伝子の多型解析をあらかじめ行い、投与量を調整することで、結核治療薬による副作用を回避でき、副作用治療に関連する医療費を削減できるだろうという。
東氏は、副作用が生じた患者に対する入院コストとして一日3万円、入院期間は90日として計算した。その結果(4000人 X 3万円 X 90日)、年間約100億円の医療費が、ゲノム薬理学を導入することで削減できると推算した。
INHの代謝酵素は、NAT-2(N-アセチル転移酵素2)だ。NAT-2の遺伝子多型には、INHの代謝が遅くなるSA群と、中間型のIA群、代謝が速いRA群に分かれ、SA群では、通常投与量のINHで、肝障害がほぼ100%生じることが明らかになっている。加えて、INHと併用されるリファンピシンは、INHの加水分解酵素を誘導する。そのため、SA群では、両剤の併用により、副作用である肝障害がより生じやすくなっている。
東氏らは、今年9月にも、東芝と共同で、DNAチップ「Genelyzer」を用いた結核のテーラーメード医療の実現に向けた臨床試験を開始予定だ。
同臨床試験では、DNAチップを用いて、患者の遺伝子多型を解析し、INHの投与量を増減する。RA群には一回の投与量を500mg、IA群には250mg、SA群には100mgとして、一日2回の投与を行う予定だ。(小板橋律子)