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(回答先: ▼米FRB@/「保険」として、6月内に50BPの緩和へ [Yen Dokki!!] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 6 月 09 日 18:22:18)
BNPパリバ証券会社・経済調査部チーフ・エコノミストの河野龍太郎さん(Ryutaro Kono/Chief Economist, BNP Paribas Securities(Japan) Ltd.)は、先週、グローバルベースの景気見通し策定のため、ロンドン、パリに出張してきた。
<今や、ゼロインフレも害悪が大きいというのが常識> ところで、日本が完全なゼロインフレやマイナスインフレの領域に入ったのは、GDPデフレーターで見ると、94年末以降だった。当時はデフレを経験した国がなかったこともあって、ゼロインフレについては望ましいものだという認識が強かった。95〜96年には循環的な景気回復もあったため、ゼロインフレやデフレの害悪は全く認識されていなかっただけでなく、究極の物価安定であるゼロインフレが達成されたことを評価する見方さえあった。名目金利の非負制約や名目賃金の下方硬直性が存在するため、「デフレだけでなく、ゼロインフレも害悪が大きい というのが今では常識である」。連銀がゼロインフレを容認した日本の失敗を十分研究していることを踏まえると、「実際に米国がデフレに陥る可能性は依然として小さいと我々は考えている」と言う。
<ドイツも日本病に陥りつつある、がコンセンサスに> デフレだけでなく、ゼロインフレも害悪が大きい、というと違和感を持たれる方も多いかもしれない。確かに、好況局面にはゼロインフレは歓迎される。しかし、経済ショックが加わった場合には、プラスのインフレ率のもとでならスムーズに行えた実質賃金の切り下げがままならなくなるため、企業は採用を抑制あるいは削減し、マクロ経済は簡単に停滞に陥る。これが90年代前半に日本で生じていたことである。また、実質金利を低下させることが困難となり、金融政策も徐々に機能しなくなる(これは90年代後半から生じた)。需給ギャップの更なる拡大はデフレをもたらす。人々の間でデフレ予想が定着すると、いくら金融緩和を行ってもあらゆる支出が先送りされるようになり、回復メカニズムが阻害される。これが現状の日本経済の姿であるが、ドイツもこうした状況に陥りつつあるというのが、現在のコンセンサスである。いずれにせよ、「ゼロインフレはデフレと隣り合わせになるため、容認してはならない」のである。