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BNPパリバ証券会社・経済調査部チーフ・エコノミストの河野龍太郎さん(Ryutaro Kono/Chief Economist, BNP Paribas Securities(Japan) Ltd.)は、先週、グローバルベースの景気見通し策定のため、ロンドン、パリに出張してきた。会議は3ヶ月に一度の開催だが、「前回3月からの最も大きな変更点は、6月25日にも米Fedが50BPの金融緩和を行うという点である」と語る、ちなみに、従来のメインシナリオでは、緩和を想定していなかった。
<年後半から緩やかな回復だが、ゼロインフレに> 米国の成長率見通しについて、4-6月の前期比年率1.7%の後、7-9月同3.7%、10-12月同3.4%と、従来通りで、「今年後半からの緩やかな回復を想定している」。それに伴い、日本なども10-12月から輸出主導の緩やかな回復が始まる。 ただ、一方で、米国のインフレ率は、4-6月前年比2.0%、7-9月同1.6%、10-12月1.3%と、従来よりもさらに低下すると見ている。「1%程度の測定誤差を考慮すると、ほぼゼロインフレとなる」と言う。 需給ギャップ変動がインフレ予想に影響してくるまでには、半年から1年のラグを伴う。「成長率は改善するが、ゼロインフレあるいはデフレを回避するために、保険として連銀が一段の金融緩和を行う」というシナリオである。昨年6月のFed論文での日本からの最大の教訓は、「デフレのコストはあまりにも大きいためデフレにしてはならない。小さくてもデフレのリスクがあるなら、インフレリスクを恐れずに、積極的な金融緩和を行うべきだ」、ということであった。
<インフレターゲットなしの長国大量購入、デフレ予想を強固に> 実際、仮に同社の2003年後半の米国回復シナリオが外れ、潜在成長率(3%台前半)を下回る状況が続くと、「需給ギャップ拡大によって、2004年中にインフレ率が完全にゼロあるいはマイナスの領域に入る可能性がより高まる」。こうした状況になる場合は、従来もリスクシナリオとして紹介してきた通り、Fedがデフレ回避のため、非正統的な資産購入とインフレターゲットを組み合わせた非正統的な金 融緩和に踏み切る可能性が高い。日本の最近の経験を見ると、インフレターゲットなしの長期国債大量購入は、「イールドカーブを寝かせるだけで、金融市場におけるデフレ予想を強固にするリスクがある」と指摘する。
<ドル安回避のため、物価水準ターゲット実施の可能性> Fedが非正統的な金融政策に踏み切るというシナリオは、今のところまだメインシナリオとしてはいないが、仮に実施された場合には、「それが大幅なドル安をもたらす可能性が高い」。このため、「それを避ける形で、最終的には日銀もFedに追随する形でインフレターゲットあるいは物価水準ターゲットを実施する可能性がある」 (つづく)