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Re:テロリスト入植者を取り締まる方法は?→確実にあります(はまちさんへの回答です)
http://www.asyura.com/0306/dispute11/msg/496.html
投稿者 反シオニスト 日時 2003 年 6 月 24 日 07:16:00:

※内容からして議論版が適当と考えましたので、こちらに投稿します。

はまちさん、こんばんは。

すべてではありませんが、はまちさんの投稿を興味深く読まさせていただいています。ひょんなことで、はまちさんからご質問をいただき、これまでシオニズム等について色々と考えていたことを纏める良い機会になりました。はまちさんに感謝いたします。以下は私の回答です。

シオニズム問題と暴力国家イスラエルの問題は、もちろん中東に限定された問題ではなく、世界の(特に西欧の)近現代史が抱える根底的な問題に密接につながる大きな問題と捉えています。私自身は楽天的な人間で、いかなる問題も私たちが解決すべきものとして天が与えてくれたもの、と考えています。従って解決策は必ずあるものと考えています。

ただし、テロリスト入植者の暴力に対しては、警察が取り締まるような形、あるいはイスラエルに圧力をかけて暴力をやめさせるような形では難しいと思います。また、パレスチナ側が政治力を行使して、連合国(国連)によるパレスチナ分割案まで白紙に戻すことも不可能であると思います。ましてや、武力闘争による勝利など望むべくもありません。

はまちさんは「イスラエルは、上(シャロン政権)から下(入植者)まで、やりたい放題です。」とご指摘されましたが、彼らの背後にはシオニスト集団群が控えており、このシオニスト集団群の背後にはロスチャイルド家を筆頭とする多国籍金融集団群が控えています。ここで「群」を付けるのはシオニストや多国籍金融集団は決して一枚岩ではなく多様な集団が存在しており、それらが総体として「シオニスト」や「多国籍金融集団」を形成しているとの理解からです。この多国籍金融集団は現在ほぼ全世界を支配しているといっても過言ではありません。彼らは銀行、石油、兵器、原子力、鉱工業、食品、酒類、麻薬、医療、スポーツ、芸術、学問といったあらゆる分野をその金融力によって支配しています。彼らにとって多額 のお金を必要とする政治家の支配などいとも容易なことです。多国籍金融集団とシオニストは不可分に結びついていますので、イスラエルがいかなる不法行為・暴力行為を行っても、これを裁き、処罰しうる多国籍金融集団を越える権力は残念ながら世界には存在しません。

ここで注意していただきたいのは、彼らの支配の形態は実に多様であるということです。兵器産業や麻薬産業ではかなり露骨に権力を行使しますが、学問においては知を生産し人々をこれに引きつけるという形で支配が行われています。このような支配形態において生産され続ける知のよって、人類が「真の真理」に向かっているかどうかは問題ではなく、「真理」に向かっていると幻想させるだけで十分なのです。「議会制民主主義」なども人類が進歩の末に到達した一つの真理の形態であると思わせつつ、実は彼らにとって非常に都合の良い制度になっています。

さて、ほとんど指摘されていないことですが、パレスチナの人々の国家建設に向けた努力やパレスチナを支援する人々の努力は、シオニストに多少の打撃は与えることができても、シオニストと不可分の関係にある多国籍金融集団を逆に支えているという重大な矛盾に陥っています。パレスチナ国家建設派の論理は、近現代において多国籍金融集団が支配するために駆使してきた論理そのものであるからです。例えば、国民国家、民主主義国家、基本的人権、議会制民主主義、等々。もちろんこれらを多国籍金融集団が発明したというつもりはありません。

パレスチナ支援において行われている開発援助や医療援助なども結局は多国籍金融集団を富ませる結果になっています。仮にシオニストを譲歩させてパレスチナ国家を建設したとしても、多国籍金融集団の腹は痛くも痒くもありません。「道路地図」で目標とされているパレスチナ国家など「操り人形小国家」であり、一部の権力者を富ませるだけでしょう。大多数のパレスチナ人は権利をはく奪されたまま困窮にあえぐという状況に変わりありません。パレスチナ国家が誕生すれば世界中でパレスチナ援助ブームが沸き上がり、膨大な援助金が流れ込むでしょうが、誰が得をするかは明白です。

このように書き進めると、パレスチナの将来は真っ暗、ということになりますが、私はそのようには考えていません。というのも、多国籍金融集団が営々と築き上げてきた世界システムは制度疲労を起こし、もはや崩壊寸前であると考えるからです。崩壊がどこから生じるかは簡単に予測できませんが、私は日本あるいは米国ではないかと考えています。仮に崩壊が生じた場合、金融、経済、政治のみならず、崩壊はあらゆる分野にわたって世界中に及ぶものと考えられます。同時にシオニスト集団群も崩壊の憂き目を見ることになります。入植地の維持が困難になるどころか、イスラエルという国家の存続でさえ危うくなるでしょう。傀儡パレスチナミニ国家など吹き飛んでしまいます。

このような状況が来るとすれば、パレスチナの人々は勝利を手にするために何をすればよいでしょうか。

世界システムの崩壊を予見し、その後いかなる世界を築き上げるべきか営々と思索を重ねている人たちが世界中にかなりいるようです。もちろん日本にもいますし、パレスチナにもいます。残念ながらこれら先見性のある人々は未だ線では結ばれておらず、点として散らばっています。パレスチナの人々がすべきことはこれらの点を線として繋げ、面に広げることではないでしょうか。日本古来の伝統にこだわり民族主義に陥りがちな日本の先見性のある人達より、コスモポリタン的な生き方を身に付けつつあるパレスチナの人々の方が適任ではないかと考えます。崩壊が始まる前に線を繋いでおけば崩壊による混乱と被害は多少は押さえることができるでしょうし、何よりも新しいシステムをより早く立ち上げることができます。パレスチナの人々が勝利できるのはこの時でしょう。もちろん他者を押さえつけての勝利ということではありません。

崩壊後にどのような世界が現出するか、もちろん簡単に予見することはできません。ただ言えることは、多国籍金融集団が営々と築き上げてきた論理と尺度を用いては予見は不可能でしょう。

ここまで述べてきたことは、多分、はまちさんが期待されていたような答えとは全く異なると思います。以上は私の幻想であると取られても結構です。しかし、少なくとも私はこのような視点でパレスチナ問題を見てきましたし、パレスチナの人々にもこのようなことを期待しています。

もちろん、パレスチナ一般民衆の人々の苦難が多少でも軽くならんことは常に願っています。

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