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(回答先: Re: あっしらさん、近代の超克を叫ぶ極左・ナチ・カルトにはもうこりごりだ！ 投稿者 如往 日時 2003 年 6 月 07 日 04:10:29)
如往さん、あっしらさん、ちょっとちがうんですよ。
ポイントはmaterializm（物質主義） vs spirituality（スピリチュアリティー）なんですよ。共産主義、社会主義は物質主義にもとづく西洋近代思想に属していますからね。資本主義と同一グループで、物質主義の限界・病理を抱えており、今後まったく機能しないです。アナキズムですが、これも北米先住民（特に東部系）の政治文化の勉強から立ち上がったんです。彼らは「権力」＝「強制契機」という概念を持たない、政治文化だったんです。リーダーは民主主義的な手続き(democratic procedure)で選出されるのですが、リーダー、およびコミュニティーは個々のコミュニティーメンバーにいかなる意味でも何も強制することはできなかったのです。これは、人間の精神（spirit)は自由であるべきである、というスピリチャルな宇宙観（cosmology)にもとづいていたんです。大霊（the Great Spirit)の創造活動が完全な自由であり、人間個人のスピリットはこの大霊の一部であるから、完全に自由であるべしという考え方だったんです。また、大霊の一部として万人は互いに完全な等価値である、という見方をしていたんです。ですから、選出されたリーダーはコミュニティーメンバー全員に、徹底して言論の機会を提供してすべての人に好きなだけ、意見を言わせる義務がありました。一人が何時間話すのも完全に保証されたんです。一人が意見を発表している最中、ほかの誰も言葉を挙げることは許されませんでした。じっくりその人の意見を聞かなければなりませんでした。多数決議決方式もありませんで、意見を発表していくことで次第にかつ自然に傾いてくる結論を、コミュニティーの結論としました。宇宙の万物、すべての人間は大霊の中で一体である、Sprit（大文字のS）がすべて万物のspirit（小文字のs)を 包括しているとみて、すべてはwhole,oneness（ひとつ、全体） ということで、コミュニティーが異なる結論で分裂することを避けたのです。多数決は原理は常に分裂の原理なのです。彼らは融合・一体化の原理をえらび、分裂の原理を排したんです。
白人植民者の側は万人が対等であるという民主主義の政治経験をギリシア以来歴史的にもっていなかたんです。だから、彼らの政治文化を知るにつれて激しいショックと羨望をもったんです。新大陸で王政を忌避して、じゃ、どんな政治システムにするか、と考えて結局、先住民の政治的基礎原理を輸入することにしたんです。神の下に万人が対等である、という価値を西洋の歴史上初めて宣言することにしたんです。ただ、問題は彼らの先住民文化の理解が非常に浅薄なものだったんですね。彼らの政治原理はあくまでスピリチュアリティーを背景にしたもんなんですが、これが白人にはさっぱりわかんないわけ。デカルトモデルの世界観、機械主義的還元主義の物資主義の世界観だからね。だから、万人平等ということまでは取り込めたけど、人間も動物も木も、風も、星もすべてspiritとして対等なんだあ、ってことはどうにも感受性が追いつかないわけ。瞑想したこと無い文明だからね。瞑想するとわかるのよそんなことね。でも白人さんはぜんぜんそんな感じをつかめないわけよ、瞑想の技法なんてないんだからね。
そいでだね、民主主義を先住民から教わってとりいれたはいいんだが、何せ、バックボーンが物質主義だろ？コミュニティーの決定を、物質的利益配分と考えたわけ。で、当時の金持ちがどうやったら、自分の利益を確保したらいいか、拡大したらいいか考えたの。で、金持だけが選挙権をもち（制限選挙）、かつ、多数決原理にしよーって考えたわけね。で、決定には強制契機を持たせたわけ（権力）。こうするとね、金持ちがさらに金持ちになれるんだよ。少数の金持ちが、コミュニティーを一方的に率いることができるわけ。三権分立の機構も先住民の政治システムをまねたのね。だけど、白人さんは、これら3権を文字通り権力関係（強制契機関係）としてしまったのよ。白人の司法では、判決が出ると、行政が強制執行できるわけ。力を行使できるわけ。先住民はここでも強制契機をもってないのよ。個人を説得するだけなの。説得といっても知恵で、相手の気づきを誘うということなのね、あくまで。とってもデリケートでソフトなの。強制契機＝暴力というのは一切放棄しているのね。彼らのコミュニティーに暴力というのは一切存在していなかったという意味で、異常に平和世界なわけ。で、彼らのコミュニティーに迷い込んでしまった白人なんて、白人が助けに来ても、あたしゃ2度と白人世界になんか戻りたかない、一生ここにいたいって、てこでも動かないのが結構普通。女性なんか特にそうね。何せ、先住民政治文化は女性原理をとってるからさ。女性が指導者だからね。ただ、コミュニティーのまとめ役（リーダー）はあくまで、男だったの。女性が、この人だめとなったら罷免されてたわけ。全体の統括は女性、コミュニティーの政策決定過程のファシリテーターは男。要するに男女のバランスを完全にとろうとしたのね。だけどこのバランスを取る担い手はあくまで女性なのよ。コミュニティー内で暴力はまったくないのだけど、とくに、男性の女性に対する暴力というのは金輪際ありえなかたの。だから、夜道を一人女性が歩いていてもレイプされるなんて心配ないわけ。ところが、白人入植コミュニティーで白人女性がいつも生きた心地しなかったのは男によるレイプだったんだね。白人さんの世界は太古の世界から、特にキリスト教になってからは徹底して女性蔑視の世界なのね。男の女に対する収奪、これがレイプrape(ラテン語で英語のtake、取るという言葉から_きている）なのだ。
長くなって悪いね。要するに白人さん、民主主義というのを大枠では取り込んだんだけど、政策決定原理は徹底して利己主義、物質主義なのね。コミュニティーの決定というのが最終的にコミュニティーメンバーの精神的成長、スピリチュアルな成長を支えるという構想を持っていたのが先住民だが、白人さんはそれは「利益配分」の手続きだ、と考えたってわけ。共産主義、社会主義も、物質的利益を平等に分け合疎いう、ことで、物質主義の域を待ったく出なかったのよ、悲しいほどにね。
つまりね、近代を超えるということはね、物質主義をいかに超えて、スピリチャルな原理にシフトするかってことなのよ。近代民主主義の病理を認定できるのは、あくまで、スピリチャルな原理とビジョンのもとでしかないのね。白人さんは民主主義ってものを根源的に理解してないのよ。万物が一体で完全な調和とバランスのもとにあるっていう理解と感受性が無い人には、先住民における民主主義の恐ろしく洗練された仕様を理解することって不可能なのね。
民主主義の真実の歴史的由来についてもうちょっと皆さん、勉強しようね。みんなが読んでるのは白人が自己正当化するために書いている歴史書なの。白人さん、民主主義を先住民から学びましたなんて、一言も書いてないでしょ？プロパガンダなのよ、お得意の。で、皆さん、彼らの歴史書の枠組みで、やれ民主主義がどうだ、共産主義・社会主義がどうだ、アナキズムがどうだって、議論してんでしょ？いっとくけど、ラチは開かないよそれでは、いつまでたってもね。日本の民主主義をどうするかっていうのも、この歴史的観点から考えたほうがいいよ。白人の議論のトリックにかかっちゃだめ。彼らぜんぜん感受性無いんだからね、生命的な。彼ら権力エリートが目指しているのは徹底した独裁だよ。現状の民主主義すら、維持する気はまったくないんだよ。目指すは超少数のエリート権力体制以外の何物でもない。米憲法に宣言されている、万人平等の思想は風前の灯火なんだよ。物質主義の病理が頂点に達しているってこと。わかってよね。
そんじゃまたね！（いそがしいんでレスできないと思うけど）
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。