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【ワシントン中島哲夫】米政府は8日、イラクの戦後復興に同国の石油輸出代金を充てるために必要な国連の制裁解除を盛り込んだ安保理決議案を、主要理事国に非公式に配布した。9日午前(日本時間同日夜)、米、英、スペインの共同提案の形で正式に安保理に提出する。
新決議案の核心部分は石油の輸出代金を事実上、米英が管理するという内容。ロシアやフランスの主張とは落差が大きく、イラク戦争の開戦までに武力行使容認決議案をめぐって生じたのと同様の紛糾が繰り返される可能性がある。
ロイター通信によると、非公式に配布された決議案は8ページにわたる。イラクが90年8月のクウェート侵攻以来、安保理によって課された貿易などに関する経済制裁のうち、武器禁輸以外のすべての制裁を解除するとしている。
制裁解除後の最大の懸案となる石油輸出代金の取り扱いについて、決議案はイラク中央銀行に「イラク支援基金」を創設する構想を提示。石油や天然ガスの輸出代金は同基金に入れ、同基金からの支出は米英が主導的に管理する。
同基金は国連や国際通貨基金(IMF)などの助言を受ける形式をとり、支出目的も人道支援や経済再建などに限定してはいるが、実質的には米英、特に米国が取り仕切ることになる。
制裁下のイラクでは、国連主導で一定量の石油を売却し、その代金で食糧などを購入する「石油・食料交換計画」が実施されてきた。ロシアなどに利益があった制度だが、新決議案では同計画を4カ月間で廃止する。
決議案はまた、米英が1年間にわたりイラクを支配することを認め、国連については事務総長の特使による人道支援活動の調整など限定的な役割しか与えていない。
経済制裁は主に、イラクが石油輸出代金で大量破壊兵器を輸入、開発しないように課されたものであり、既存の決議に従えば国連の査察官が同兵器の不存在を認定してはじめて解除できる。しかし新決議案は冒頭部分で「大量破壊兵器と弾道ミサイルの武装解除の重要性を再確認する」などと言及しているだけで、査察の再開にも触れていない。
[毎日新聞5月9日] ( 2003-05-09-11:52 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030509k0000e030030000c.html