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バグダッド空港近くの会議場。米軍による厳しい警備の中、28日、イラクの暫定政権作りを目指す反フセイン派の2回目の会合が開かれた。事前の予想に反しイスラム教シーア派組織「イラク・イスラム革命最高評議会」(SCIRI)のメンバー2人が出席、ほとんどが非公開の会合で、フセイン後について意見を交換したとされる。
だが、SCIRIのロンドン代表、アルバヤテイ氏はカタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」に、「政治的人物は出席しておらず、参加したのは支援者に過ぎない」と述べ、米主導の会合に距離を置いた。米側も詳しい説明をしなかった。
SCIRIはイラクのシーア派の中で最も宗教色が濃く、イラン寄りの組織として知られる。暫定政権に加われば、シーア派色が強まり「イラン化」する可能性が芽生える、と米は懸念する。加わらない場合、強力な野党になると予想される。 ◆ ◆ ◆
バグダッドの南東約170キロ、イラン国境に近い中部のクート。フセイン政権崩壊後にできたSCIRIの倉庫に、飲料水、乾燥食品、包帯、カルシウム剤など、イランから届いた庶民向けの救援物資が積まれる。
クートを活動拠点に選んだ理由をSCIRIメンバーは「(シーア派が多い)イラク南部とイランを結ぶのに都合がいいからだ」と説明した。近くイラン政府などの支援で独自のラジオ局を開局する計画という。
イラクのシーア派は宗教的自由を得て、急速に発言力を増している。また、シーア派同士のつながりを武器に、イランの影響力も打ち寄せる。
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バグダッド南部ジャドリヤ地区のSCIRIの2階建て事務所は、壁や窓ガラスが壊れたままだった。今月23日、米軍がメンバー15人を連行、事務所をダイナマイトで破壊したからという。
同事務所によると、米軍は「SCIRIの事務所とは知らなかった。武器が見つかり、テロ組織のアジトとみなし破壊した」と説明した。しかし、SCIRI地区責任者のクサイ・ハイダル氏は「我々を狙ったのは間違いない」と対米不信感を募らせる。
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「少数のイスラム聖職者が万事を牛耳るようなイラン型政府は、イラクには生まれない」。ラムズフェルド米国防長官は通信社とのインタビューでクギを刺した。フセイン政権を解体した米は今、シーア派の勢力拡大という新たな難題に直面している。 【イラク戦争取材班】
[毎日新聞4月29日] ( 2003-04-29-22:23 )