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(回答先: イラク:イランがシーア派へ救援物資 警戒強める米国側 −毎日新聞 投稿者 怪傑 日時 2003 年 4 月 29 日 23:31:57)
>「少数のイスラム聖職者が万事を牛耳るようなイラン型政府は、イラクには生まれない」。
これは二重の意味で理論的におかしい。
1.「少数のイスラム教聖職者」というが、それを支えているのは、国民の圧倒的多数を占めるイスラム教徒(この場合シーア派)であろう。多数の人々の支持の上に立つ少数の人々による支配がいけないというなら、代議制は成立しなくなる。また間接民主制も否定しなければならなくなる(米国自体、政権に携わっているのは、米国民全体からすれば圧倒的に少数のほんの一握りの人々である)。だったら米国は「直接民主制」が理想だとでも主張するのか?とラムズフェルドに尋ねたい。
2.更に言えば、イランにおいては、まがりなりにも大統領選挙や国会議員(一院制)の選挙が行われている(日本の国会図書館の調査によれば、選挙権年齢は15歳と調査対象国中最年少である!)。まがりなりにも「民主制」や「共和制」は働いているのである(だから国会における改革派と保守派の対立がニュースになったりするのだ)。少数のイスラム指導者の意向で国政が左右された時代はもはや過去のものといっていいほどイランの国政は多様化が進み、また国民がデモその他で自らの意見を表明することも頻繁である(最近では、改革派のハタミ大統領支持のデモや、米英のイラク攻撃を非難するデモがあったことをご記憶の方も多いであろう)。
民選による議会はおろか、国民の集会・結社の自由すら否定されているサウジアラビアやカタールのような「親米国家」には何一つ言及せず、議会も選挙制度も機能している「民主国家」イランを少数イスラム指導者による独裁国家扱いするとは片腹痛いの一言である。