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2003.04.24
Web posted at: 12:15 JST
- CNN
イラク・カルバラ(CNN) イラク国民の6割以上を占めながらフセイン政権の弾圧を受けてきたイスラム教シーア派が、政権崩壊後の同国で存在感を増している。米英軍はシーア派勢力を「フセイン打倒」をめざす同志とみてきたが、その目的を果たした今、早期撤退を求めて反米色を強めるシーア派の動きに戸惑いを隠せずにいる。
イラク中部のカルバラで22日から23日にかけて行われたシーア派の宗教行事には、各地から教徒200万人以上が集まったとされる。フセイン政権下で厳しく制限されていた行事の復活を喜ぶ声と共に、反米のスローガンが目立った。「アメリカにノーを」「イスラエルにノーを」「アメリカに死を」――「イラク解放」を掲げて戦ってきた米軍兵が聞けば耳を疑うようなシュプレヒコールが上がる。
シーア派側の要請により、米英軍兵士は郊外まで退いて行事を見守った。巡礼者の1人は「米英軍はもうすることがないのだから、帰国すべきだ。イラクの将来はわれわれ自身が決める」と語気を強める。沿道で売られるシーア派指導者の肖像のうち、最も人気を集めたのは、イラン革命を率いて反米政権を樹立させた故ホメイニ師の写真だった。
イランに本部を置くシーア派亡命組織「イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)は22日、米英軍の早期撤退を求める声明を出し、「われわれは独立しなければならない。外国による統治は拒否する」と訴えている。
シーア派勢力がイラク再建に大きな影響を及ぼすことは確実な情勢で、米国も配慮を迫られることになりそうだ。シーア派指導者らは今のところ、閣僚などの地位を求めるより草の根の運動を進めたいとの意思を示しているが、内部では指導者間の主導権争いが激化するなど、政治参加をにらんだ動きが加速している。
http://www.cnn.co.jp/top/K2003042400501.html