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(回答先: ブッシュ政権:シーア派の力を過小評価 米紙報道 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 24 日 16:45:23)
04/23 17:48 シーア派の力に米驚愕 原理主義国家への懸念も
フセイン・イラク政権崩壊を受け、二十五年ぶりに聖地カルバラ
で行われた巡礼行事「アルバイン」に約百万人を集めるなど、イラ
クのイスラム教シーア派勢力が強力な組織力を見せつけている。ブ
ッシュ米政権は、イラクがイスラム原理主義国家への道を歩む可能
性があると懸念し始めた。
イラクを「中東民主化ドミノ」の発信地にしようと狙う米国にと
って、イラクがイラン型のイスラム国家となることは悪夢のシナリ
オ。トルコ型民主国家にするには、政教分離を定める憲法制定を含
め、米国が長期間、政権運営を担う必要があるとの認識が米政府内
で広まっている。
カルバラでの巡礼行事について米政府は「心配していない。自由
は美しいものだ」(ブッシュ大統領)と表向きは問題視していない
。
しかし、一部の教徒が「米国はサダムから解放してくれたが、も
う用はない。出て行ってくれ」と反米姿勢をあからさまにしたこと
に「イラク人口の約六割を占めるシーア派の本音」(米国務省当局
者)と、警戒感も持っている。二十三日付のワシントン・ポスト紙
によると、米政府高官は「イラン型のイスラム原理主義が根付くこ
とは許されない」と語った。
米政府は、イラクの新政権づくりでシーア派を、スンニ派やクル
ド人とともに取り込む方針だ。
しかし、シーア派の最大勢力イラク・イスラム革命最高評議会(
SCIRI)は米国が呼び掛けた暫定政権樹立に向けた第一回集会
への参加を拒否。カルバラやナジャフではシーア派が独自の行政機
構を組織し、宗教指導者が政治権力を握る傾向も出てきている。
ポスト紙によると、別の米政府高官は「シーア派の組織力がこれ
ほどとは考えていなかった。現段階で米政府はこの事態に対処でき
ていない」と告白する。現在米国はイランと外交関係はなく、テヘ
ランに本部を置くSCIRIとの接触もままならない状況だ。
イラン化阻止策として、米政府は第二次世界大戦後に日本国憲法
の制定に深く関与したように、イラクの新憲法制定に関与して政教
分離の原則を盛り込み、学校教育からの宗教色の排除を検討してい
る。議会の議席配分を単純に人口比率に比例させる方式も避けたい
ようだ。
中東情勢に詳しいウルジー元米中央情報局(CIA)長官は「シ
ーア派は歴史的に政教分離の体制をとってきた。ホメイニ師以降の
イランは例外」と楽観論を展開する。
シーア派で、米政権を後ろ盾にイラク暫定政権の「首班」となる
可能性があるイラク国民会議(INC)のチャラビ代表も二十一日
、新憲法に政教分離規定を盛り込み、原理主義国家への道を閉ざし
ておく必要性があると指摘した。
ワシントンの欧州外交筋は「『解放者』の米国が、治安維持の役
割まで負わされている。フセイン政権がやったように、今度は米軍
がイラクの人々を力で押さえ込むかもしれない」と、ブッシュ政権
のジレンマを指摘した。(ワシントン共同=近沢守康)
(了)
[2003-04-23-17:48]
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