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【ワシントン20日共同=小片格也】イラク戦争でクウェートからイラク領内に入った米英軍の地上部隊は二十一日、西部と北部からも国境を越え、三方向から首都バグダッドを目指し進撃を続けた。ロイター通信によると、米軍地上部隊は二十一日午前九時(日本時間同日午後三時)すぎの時点で、国境から北方へ百五十キロの地点まで進撃。南部の拠点バスラ周辺では戦闘となったが、全体的にはイラク軍の抵抗は小規模にとどまっている。
また米英軍は前日に続き二十日午後(同二十一日未明)、バグダッド中心部の大統領宮殿と共和国防衛隊の施設など数カ所をトマホーク巡航ミサイルなどで本格的に爆撃。北部の要衝モスルも爆撃した。
これに対して、フーン英国防相によると、イラクは三十カ所の油田に火を放った。
米FOXテレビなどは二十一日、米英軍がイラクの共和国防衛隊と極秘の降伏交渉を進めており、約二割が投降しつつあると伝えた。南部では一部のイラク兵が白旗を上げて投降した。
クウェートからは米陸軍第三歩兵師団、米第一海兵師団、米海軍と英軍特殊部隊の合同部隊が三コースに分かれてイラク領内に進撃、北上を続けた。従軍している共同通信記者によると、抵抗はほとんどないが、南部のバスラ周辺ではイラク軍が対戦車砲で反撃した。
英軍報道官によると、南部のウムカスルとファオでは戦闘が続いており、陥落が間近。ファオ半島の石油施設は制圧した。
ブレア首相は二十日、英軍の参戦を正式に表明。オーストラリア軍も戦闘に参加した。ラムズフェルド米国防長官は二日目のイラク攻撃は「順調だ」と述べた。
一方、米海兵隊のCH46ヘリコプター一機がクウェートで墜落、海兵隊と英国軍の兵士計十六人が死亡した。イラク戦争で初の米英軍側の犠牲者。機体トラブルが原因とみられる。
イラク国営テレビは、イラク軍兵士四人が死亡したと報道。フセイン大統領の夫人や娘の居宅も爆撃されたが、大統領らは無事だと伝えた。
(了) 03/21