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厚生労働省は1日、C型肝炎の緊急対策として昨年度から住民健診に導入されたC型肝炎ウイルス(HCV)検査で、3月末までの1年間に新たに全国で約3万人の感染者が発見されたと発表した。国内のHCV感染者は約150万人と推計されているが、実際の感染者がこれほど大規模に確認されたのは初めて。
同省では、住民健診の検査だけで、2006年度までにさらに12万人の新規感染者を発見できると試算している。
住民健診のHCV検査は、40歳から5歳刻みで70歳までの年齢の人が対象の「節目検診」と、それ以外の年齢であっても過去に肝機能異常を指摘されたことがあるなど感染のリスクの高い希望者を対象にした「節目外検診」の2本立てで行われている。
同省のまとめによると、昨年度1年間に節目検診を受けた人は123万2387人で、このうち「HCVに感染している可能性が極めて高い」と判定された人(感染者)は1万3820人(感染率1・1%)だった。また、節目外検診を受けた人は59万4406人で、感染者は1万5989人(同2・7%)だった。
両検査によって、計182万6793人の受診者の中から計2万9809人(同1・6%)の感染者が見つかった。
感染率を都道府県別に見ると、節目検診、節目外検診とも佐賀県がもっとも高く、それぞれ3・94%、8・16%で、いずれも全国平均の3倍以上の高率だった。全国的にも「西高東低」の傾向となっている。
一方、昨年度中にHCV検査を導入できなかった自治体が59市町村、一部しか実できなかったところも230市町村あり、同省はこれら自治体に早期実施を求めていく。
C型肝炎問題に詳しい吉沢浩司・広島大教授(疫学・疾病制御学)は「日本のHCV感染者は40歳以上に集中しており、肝炎・肝がん患者を減らすには感染者の早期発見が重要だ。自治体は、発見した感染者に治療を受けさせるための施策にも力を入れるべきだ」と話している。
◆C型肝炎=C型肝炎ウイルス(HCV)の感染が原因で発症するが、大半は自覚症状がなく、検査で感染を知ることが多い。発見が遅れると、肝硬変や肝がんに進行してしまう恐れが高い。日本では、集団予防接種の際の注射器の使い回し、HCVに汚染した血液の輸血などが原因で広がったとみられているが、現在では新たな感染の可能性は極めて低い。
(2003/5/2/01:13 読売新聞 )
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20030501it13.htm