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あす30日発表の大手生保7社の平成15年3月期決算は、小泉政権の失政などによる未曽有の株安が経営の健全性を直撃する。2兆円程度の株式含み損を抱え、株価下落に伴う損失処理も1兆4000億−3000億円にのぼる見通し。準備金を取り崩すなど黒字を確保するのが精一杯。政府が画策する予定利率引き下げ制度も実効性は期待できず、生保に残された道は、保有契約高の積み増しや、効率経営に向け、地道な努力のみといえる。
「株価下落への対応が最大の経営課題」(大手生保)の状況は、今回も変わらないようだ。
7社は昨年3月末の段階で1兆8413億円の株式含み益を確保していた。だが、当時1万1024円94銭だった平均株価はその後の1年間で7972円71銭まで下落。保有株式の価値は2兆円程度の含み損にまで転落した。
株価下落に伴うマイナスを損失処理する減損処理の額は、約1兆4000億−3000億円と、2年連続で1兆円を超えた。
大半の生保は、株式などの価格下落や死亡率上昇などに備えて積み立てている運用価格変動準備金や危険準備金を取り崩して利益を捻出(ねんしゅつ)。何とか黒字を確保し、契約者への配当などにあてる。
保険金の支払い余力を示すソルベンシーマージン比率は各生保とも、健全性の目安とされる200%を大きく上回る。
株式売却やデリバティブの活用で株価下落の影響を抑えた成果だが、「準備金を取り崩さなければ配当できない状況は深刻。こんなことが毎年繰り返されるようでは、将来の展望は描けない」(大手生保幹部)と厳しい現実に変わりはない。
生保の収入源である保有契約高も、6期連続で減少するのも確実。解約抑制で契約者へのアフターケアに当たる専従職員の配置などが一定の効果を上げているものの、新規契約の減少をカバーするには至っていない。
デフレ不況の長期化が続くなか、国民の生保離れが止まらないまま、「将来の収益の見通しも暗くならざるを得ない」という不安も高まる。
「八方塞(ふさ)がり」の苦境を受け、政府は今国会で、生保が契約者に約束した利回りである予定利率の引き下げを認める保険業法改正案を提出。超低金利下での運用成績が予定利率を下回ることで生じる「逆ざや」を解消し、生保経営の圧迫要因を減らそうとしている。
だが、肝心の生保業界内からは「実効性がない制度」との声が漏れる。生保が予定利率の引き下げを申請すれば、「経営状態が危ない生保」というレッテルを貼(は)られ、契約者の不信が高まり、新規契約の急減や解約急増という事態を招きかねないからだ。
「生保にとって契約者の信頼を失うことは破綻(はたん)への第一歩」(保険アナリスト)。株価下落を放置して、予定利率引き下げを進める政府の経済政策は、「的外れ」ともいえる。
政府の後方支援がすぐには期待できず、生保に残された道は、保有契約の増加に向けた地道な努力や、大胆なリストラによる収益力のアップという正攻法しかない。