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(回答先: ゼネコンにも繰延税金資産の取り崩しが波及−資本の質が低下 [ブルームバーグ] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 5 月 29 日 15:49:48)
「りそなショック」は、借金棒引きゼネコンにも波及した。準大手のフジタは監査法人の指摘で自己資本に算入する繰り延べ税金資産を取り崩して債務超過に陥り、3回目の金融支援を要請する。熊谷組や飛島建設、ハザマも軒並み債務超過。デフレ不況が長引くなか、再建計画はスタート直後で、いきなり修羅場を迎えた格好となった。
「仏の顔も三度まで」とでもいうのか、フジタは大胆にも3回目の金融支援を要請する。
当初、23日に行うはずだった平成15年3月期決算の発表を急遽(きゅうきょ)28日に延期。さまざまな思惑が飛び交っていた同社だが、フタを開けてみれば、債務超過という最悪の結果となった。
昨年10月の会社分割で「負の遺産」である不動産部門を切り離して、建設専業で再スタートを切ったはずだが、売上高が予想を470億円も下回った。
そして、問題の繰り延べ税金資産。りそな銀行は監査法人の指摘で繰り延べ税金資産の算入を制限された結果、実質国有化となった。フジタの場合も東陽監査法人が厳しい査定を行った結果、繰り延べ税金資産の取り崩しを余儀なくされた。
フジタは、300億円の優先株引き受けをメーンバンクの三井住友銀行に要請し、16年3月期に債務超過を解消するという計画である。
「スリム化して再スタートしたとはいえ、デフレ不況の厳しい状況下、工事受注を回復し、経営を軌道に乗せられるかどうかはまったく不透明だ」(金融アナリスト)
建設業界を取り巻く環境は、年々悪化する。債務免除など銀行支援で有利子負債を減らしてもらい、借金棒引きゼネコンは有利な立場のはずなのに、経営再建は遅々として進んでいない。
再来年4月の経営統合が決まっている熊谷組と飛島建設も、それぞれ2728億円、165億円と仲良く債務超過。10月に建設部門を新会社に切り離し、中堅の安藤建設の出資を受けるハザマも1111億円の債務超過となった。
統合ずみの三井住友建設も債務超過ではないものの最終赤字に。借金棒引き組のうち最終黒字を確保したのは、民間のマンション建設に特化した長谷工コーポレーションだけとなっている。
デフレ不況で民間受注が減っているうえ、財政悪化で公共工事も右肩下がりだが、そんな中でも「自治体も信用度の低い借金棒引き組に発注しない傾向が強まっている」(民間信用調査機関)ため、受注がさらに伸び悩んでいるというのだ。
「債務免除組が採算割れのダンピング受注で我々の仕事を奪っている」(他のゼネコン幹部)と批判の声が強いが、赤字覚悟の受注がかえって採算面で足を引っ張る悪循環が続いている。
ゴルフ場など保有する不動産や保有株も下げ止まらず、評価損を計上するなど、“八方塞(ふさ)がり”の状態だ。
「準大手各社は、借金棒引き、会社分割、弱者連合といった急場しのぎの策を再建計画と称してきたが、所詮(しょせん)絵に描いたモチに過ぎないことが明確になってしまった」(大手銀幹部)との声も広がる。
三井住友建設に合流を計画するフジタは「今回の債務超過が合流計画に影響を与えない」とするが、ゼネコン業界には懐疑的な見方も広がる。
借金棒引きゼネコンはいずれも、今期は最終黒字に転換すると発表しているが、先行きは不透明である。
建設業界全体の受注は8%以上減少しているが、鹿島建設、大成建設、大林組、清水建設、竹中工務店のスーパーゼネコン5社は約2%と微減にとどまっている。
ただでさえパイが小さくなっているなか、信用度の高い大手に仕事が流れているのだ。
資産査定の監査厳格化の流れも、厳しい経営状態に拍車をかける。
ハードランディング論者の竹中平蔵金融・経済財政担当相の要請を受け、日本公認会計士協会は今年2月、主要銀行の監査人に、繰り延べ税金資産の厳格な監査を促す「会長通牒(つうちょう)」を出している。
あおぞら銀行(旧日債銀)は、繰り延べ税金資産を1年分しか計上しないことで対応しているが、メガバンクをはじめ、財務基盤が厳しく、5年分計上する大手銀行は致命的な打撃となる。
この流れが一般企業の監査にも広がっていることが、フジタのケースで明らかになった。
「安易なゼネコン救済を続ければ、銀行サイドにも株主や監査人の厳しい視線が浴びせられるのは間違いない」(前出の金融担当アナリスト)という見方もあり、借金棒引き組を取り巻く環境は厳しさを増している。