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5月29日(ブルームバーグ):りそな銀行に対して公的資金を注入する引き金となった繰延税金資産の問題が、ゼネコン(総合建設会社)にも波及している。 2003年3月期決算で監査法人から繰延税金資産の取り崩しを求められたゼネコンが相次いだ。これにより自己資本が大幅に目減りしたゼネコンもあり、格付け会社などが指摘する“資本の質の低下”が表面化している。
「監査法人から繰延税金資産の計上を3年分しか認められなかった」と嘆くのはりそな銀行ばかりではない。新日鉄系の中堅ゼネコン、太平工業の森本昌副社長もそうだ。23日に発表した2003年3月期決算では、不採算工事の売上計上に加えて貸倒れ引当金繰入額などの特別損失がかさみ、損益が悪化。そこに繰延税金資産36億円の取り崩しが直撃し、連結自己資本は97億円と前期の3分の1強に急減した。自己資本比率も8.5ポイント悪化して5.6%となった。
太平工業に先立って、同社のメーン銀行であるりそな銀行も監査法人から繰延税金資産の計上を厳格化するよう求められ、公的資金の申請に追い込まれたばかり。「りそな銀行からは22日に説明があり、従来どおり融資を受けられることを確認した」(同副社長)というが、取引銀行ともども繰延税金資産に振り回された格好だ。
28日に決算を発表したフジタも監査法人から「繰延税金資産(約80億)の取り崩しを求められた」(小川泰昭・執行役員)結果、37億円の債務超過となり、会社分割後の「新生フジタ」として出鼻をくじかれた。ハザマや旧住友建設(現三井住友建設)なども100億円前後を、前期に債務超過となった熊谷組も監査法人と相談してほぼ全額の276億円をそれぞれ取り崩した。
繰延税金資産は大手ゼネコンでも積み上がっており、前期末時点で大成建設では連結自己資本の83%に達した。株価の下落により、自己資本のうち有価証券評価差額金が大幅に目減りした鹿島では繰延税金資産が自己資本を2%超過した。
大成建の子田征基副社長は従来から「繰延税金資産は会計基準に従って計上しただけ」と説明する。しかし監査法人の判断が厳しくなっているうえ、建設市場が縮小しているだけに、繰延税金資産の算定根拠となる将来の利益水準によっては取り崩しを余儀なくされる恐れもありそうだ。
東京 山口 義正 Yoshimasa Yamaguchi
Last Updated: May 29, 2003 00:23 EDT
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000002&sid=afOwe_P_Qe2Y&refer=topj