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「積極的に『貸しおこし』を展開していこうとする東京三菱銀行のスタンスについては、大いに評価することができる。しかしやはりそこには、一定の限界があるようだ。そしてその“限界”こそが、邦銀唯一の“勝ち組”とみられてきた東京三菱銀行にとって、意外な死角となってきているのではないだろうか−」
米系大手銀行役員がこう言ってみせる。
このコメントに登場する「貸しおこし」とは、東京三菱銀行が作った造語で、“貸し渋り”あるいは“貸し剥し”といった銀行批判用語の対極に位置するものとしてとらえられている。
そしてこの「貸しおこし」には、2つの重要な意味が込められている。1つは、貸し出しの量を増やすという意味で“貸し興し”。もう1つは、融資レートの引き上げを目的とした“貸し起こし”だ。
東京三菱銀行幹部が言う。
「当行は、2005年3月期までに中堅・中小企業を中心に企業向け貸し出しを5000億円増加させ、平均利ザヤも0.3%アップさせる、という大目標を掲げています」
そしてこの大目標を実現させるための中核商品として位置づけられているのが、今年3月から取り扱いが始まった「融活力」だ。
東京三菱銀行が作製した資料によれば、この融資商品のポイントは、
「売上高10億円未満程度の中小企業無担保融資の中核商品。迅速な審査、事務体制によりはじめてのお客様の資金調達ニーズにも迅速に対応−」
ということになっている。
ここで筆者が注目したいのは、融資対象と貸し出しレートだ。
債務者区分から見た融資対象は、
「正常先に限定されることになる」(東京三菱銀行広報室)
そして貸し出しレートについては、2.0%〜8.0%となっている。
東京・港区に本社を置く中小企業経営者が言う。
「当社はもともと東京三菱銀行とは預金取引しかありませんでした。その当社に東京三菱銀行の外回りが来て、『融活力』を利用しないか、とセールスしてきたのです。しばらく考えて、それならば利用してみようと思い金利を聞くと、8%弱だと言う。ばかばかしくて、全く話になりませんよ。確かに“東京三菱”のブランド力は大きい。しかし当社の場合、同様の融資は4%以下のレートで借りられる…」
大手都銀幹部が言う。
「正常先に限定したこの種の融資の場合、貸し出しレートはせいぜい4.5%程度が上限でしょう。8%というのは、あまりにも借り入れサイドの負担が大きい」
とはいえ東京三菱銀行の場合、貸し出しレートは前述したように、“2.0%〜8.0%”と幅広に設定してあるのが実情だ。ならば、そのレート設定はどのように行われているのだろうか。
「それについては、お答えできない」(東京三菱銀行広報室)
前述の米系大手銀行役員が言う。
「『融活力』の最大の弱点は、要注意先以下を全く相手にしていない点だ。にもかかわらず8%という高いレートが設定されている。果たしてこれが、“貸しおこし”と言えるのだろうか」
2003/5/29