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(回答先: 新BIS規制の邦銀への影響、現行並みの負担となる見通し=金融庁・日銀 投稿者 小耳 日時 2003 年 4 月 29 日 19:25:54)
2003年4月29日(火)16時0分
東京 4月29日(ブルームバーグ):バーゼル銀行監督委員会は29日夕(日本時間)、銀行の自己資本規制に関する新しいバーゼル合意(新BIS規制)の第3次市中協議案を発表した。自己資本比率を算定する際、分母に組み 入れる貸し出し資産のリスクをより正確に反映させるため、中小企業や個人向け貸し出しで、リスクウエイトを軽減、その一方で、引当率の低い不良債権で加重し、不良債権処理の一段の加速を求めていることなどが柱。
しかし、新規制の自己資本比率でも、現在の基準で国際基準行に適用されている最低の自己資本比率である8%は変更されなかった。分子(自己資本部分)も現行通りとなった。金融庁と日銀によると、新規制が施行されると、邦銀平均で、2%リスクアセットが削減する方向に作用するが、邦銀に与える影響は現行規制並みで、新規制導入による銀行経営に与えるインパクトは軽微にとどまるという。
中小向けを軽減、貸し渋りの原因にならず
新BIS規制の最大の特徴は、自己資本比率をはじき出す際に使われる「割り算」の分母に、貸し倒れリスクなどをより正確に反映させたことだ。自己資本比率は、分子に自己資本部分、分母に貸し出し資産に一定比率を掛け合わせたものと、市場リスク(現行のまま)を加算して、割り算を行って算出される。この一定比率がリスクウエイトと呼ばれている。
現行規制のリスクウエイトは、大企業向けのローンから中小企業向けまでを一律100%だった。だが、今回はこれを実態に合わせて変化させ、大半の銀行の利用が見込まれる標準的手法によると、中小企業向けと個人向けとが 100%から75%に、住宅ローンが50%から35%にそれぞれ軽減された。大企業向けと中堅企業向けは現行の100%のまま据え置かれた。
大企業などと個人・中小向けなどの間で、リスクウエイトの差を設けたのは、個人や中小向けの貸し出しは、もともと大企業などと比べて、銀行は貸し出し基準を厳しく設定、金利を上乗せしたり、見合いの担保も取ったりして、リスクを勘案した貸し出しを行っているため、とみられる。
金融庁によると、個人・中小向けでリスクウエイトが軽減されたことから、今回の見直しが、中小企業などへの貸し渋りの原因になるとは考えていないという。
引当率が高いほどリスクウエイト軽減
また、引当率の低い不良債権のリスクウエイトを加重、引当率の高いものは軽減したことも特徴だ。企業向けのローンで、金利の返済が90日以上延滞している不良債権を例にとると、標準的な手法の場合、この債権の引当率が0−20%だったらリスクウエイトは150%、20−50%の場合は100%、50−100%は50%と、それぞれなっている。引当の低い債権には、ペナルティーに近いリスクウエイトにし、この意味で、不良債権処理の一段の加速を目指している。
このほか、事務事故や不正行為などによる損失のオペレーショナル・リスクにも自己資本を要求するなどの見直しが行われている。金融庁と日銀の資産では、オペレーショナル・リスクの所要自己資本額は、邦銀で全体の5%程度となる見通し。
さらに、行内格付けにより借り手リスクを精密に反映する内部格付け手法に対し、現行規制を一部修正した標準的手法では、格付け会社の利用を義務付けないことにした。
「現状と変わらない」
こうした負担の増減を合計すると、試算に参加した邦銀66行の平均で、自己資本比率を維持して行くうえで、その負担は分母部分で2%軽減する。ただ、金融庁の細見真参事官は会見で、「ほとんど現状と変わらない」と説明した。また、66行には大手行の「ほとんどが入っている」という。
さらに今回の見直しでは、銀行自身による自己資本戦略策定や、情報開示の充実を重視、市場を通じた規律の確立を目指している。日銀信用機構室の出沢敏審議役は、これまで金融当局の監督だけだったのが、今回から金融機関、当局、市場の規律に委ねるという「3人の主人公」が登場したと指摘した。
バーゼル銀行監督委は、日米欧13カ国の銀行監督当局と中央銀行からなっている。委員長はマクドナーニューヨーク連銀総裁。事務局は国際決済銀行(BIS)が務めている。同監督委はこの第3次案について、7月末までに各国の金融機関などからコメントを求め、2003年末に新BIS規制を公表、2006年末に新規制の適用開始を目指している。
東京 浅井 秀樹 Hideki Asai
http://news.lycos.co.jp/business/story.html?q=29bloombergto1188924&cat=10