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[日経] 株バブル後安値 市場関係者に聞く――株式
【ＮＱＮ】11日の東京株式市場で日経平均株価が１カ月ぶりにバブル経
済崩壊後の最安値を更新し、1983年１月25日（7803円18銭）以来、約20
年３カ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。イラク戦争後の日米の景気・企
業収益に対する不安や、国内の相場需給悪への懸念が高まっている。株
安の要因や今後の見通しについて、市場関係者に聞いた。
各回答者への質問項目は以下の通り。
(1)きょうの下げの理由
(2)目先の下値メド
(3)今後の相場見通しとその根拠
株バブル後安値 ひとまずセリングクライマックス・山田氏
山田隆・新光投信ファンドマネージャー
(1)企業年金の代行返上に伴う需給悪化を警戒し、外国人投資家が主力
株の持ち高を調整する目的で売りを出したとみられる。加えて、主力株
への投資収益が思うように上がらない国内の投資家が、一部のポートフ
ォリオを値動きが軽い中低位株にシフトしている可能性がある。
(2)目先の下値のメドは7800円近辺
(3)年初来安値を更新したソニーを見ると、今週に入り4000円の節目を
割り込む過程で売買高が急増している。投資家の投げ売りがかさむ一方
、下値で買い注文が多いことを示しており、典型的な「セリングクライ
マックス」の様相だ。主力株全般にこの現象が見て取れる。このため、
主力株は来週から再来週にかけて下げが一服し、再び戻りを試す場面も
ありそうだ。
ただ、主力株が本格的な回復局面に入るには、税制の見直しなど思い
切った政策発動が必要だ。日経平均が9000円や8000円の心理的な節目を
何の抵抗もなく簡単に下回ってきても、政策当局から何のアナウンスメ
ントもないことには失望させられる。過去に導入した政策では空売り規
制が相場の回復力を鈍らせている。イラク戦争の終結のメドが立ち、米
国株などは反発する場面もみられる。しかし、日本株はこれまでの下げ
局面で空売りが規制されたため、大きなイベントが終わっても買い戻し
の需要が出てこない。
株バブル後安値 短期底ばいも秋口は9000円台 三菱証・山本氏
山本容子・三菱証券ストラテジスト
(1)下げの理由は投資家心理の極端な悪化だ。企業年金の代行返上に伴
う売りで優良銘柄が売り込まれるのを目の当たりにして、一段安を恐れ
た投資家が売り急いだ面が強いのではないか。売りが膨らんだ背景には
米国景気に対する先行き懸念もある。ソニーなど優良銘柄は米国景気に
左右される部分が大きく、優良銘柄を売却する理由ばかりが目立った。
(2)現在が底値圏にあると見ている。米国企業の決算発表が近づくなか
、個別企業の業績に反応して多少の下振れはあっても日経平均が7500円
を大きく割り込むことはないと見ている。
(3)短期的には8000円近辺での底ばいで推移すると見ている。イラク戦
争が最終局面を迎え不透明要因の１つが払しょくされつつあるが、米国
株はファンダメンタルズ（経済の基礎的条件）の悪化懸念が浮上し、上
値を抑えられている。だが、戦争が予想どおり短期で終結する可能性が
高くなったいま、開戦前と現段階で米国のファンダメンタルズに大きな
変化が生じたとは思えない。イラク戦争が終結すれば、米国の個人消費
や設備投資もある程度回復すると見ている。これを受けて、米国株がじ
りじりと回復傾向をたどれば、日経平均株価もつれ高し、秋口にかけて
は9000円台を試す展開を予想する。さらに上値を追うには、今度こそ政
府による抜本的な対策が必要だ。産業再生機構に潤沢な予算を配分し、
事業再生に取り組む企業を積極的に買い取るような動きがあれば、市場
の好感を得られる可能性が高い。
株バブル後安値 ソニーは下げ止まり・ＵＦＪ証券の吉越氏
吉越昭二・ＵＦＪつばさ証券投資情報部長
(1)需給悪化が相場下落の原因だ。市場では、企業年金が国の代行部分
を返上するための売りが出ているとの指摘が出ている。最近の外国証券
の売買手口をみると、代行返上の売りが出やすい値がさの国際優良株を
売る半面、代行返上の売り圧力が弱い銘柄を買う取引が目立った。ただ
、こうした取引の売買金額を比べると、圧倒的に国際優良株の売り金額
が大きい。また、生命保険会社が保有株を外す動きも活発だ。国際優良
株は日経平均への影響度が大きく、足元の下げがきつくなった。
(2)目先の日経平均の下値メドは7500円程度だろう。最近の下げを主導
したソニーは、米同時テロ後に付けた安値（2001年10月３日の3960円）
という節目を下回った。武田も上場来高値（2000年４月５日、8080円）
のちょうど半分の水準まで下げた。今年秋ごろまでは代行返上の売りが
続くとみられ、国際優良株の需給は引き続き悪い。しかし、５年、10年
といった長期的な視点で運用する機関投資家は国際優良株が歴史的な安
値水準にあるのをみて、各種指標面でみて割安と判断し、もうそろそろ
押し目買いを入れてくるのではないか。
(3)今後の株式相場は、今年４―６月は日経平均株価は7500円近辺を下
値に底ばいとなりそうだが、今年７―９月には9000円程度まで回復する
とみる。米国は来年秋に大統領選を控えている。ブッシュ米大統領は、
大統領選の予備選が始まる来年２―３月ごろまでには失業率を低下させ
ておきたいところだろう。失業率は景気に対して遅行するので、ブッシ
ュ大統領は夏から秋にかけて景気を刺激するような政策を打ち出さない
と再選が厳しくなる。ブッシュ大統領は、父のブッシュ元大統領が湾岸
戦争で支持率を高めた後に国内景気の悪化で落選したのを目の当たりに
しているだけに、米国経済を意識した対策を打ち出すだろう。米ダウ工
業株30種平均が9000ドル程度まで戻せば、水準的に近い日経平均も
9000円程度まで戻すと予想する。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。