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[日経] 鉄スクラップのアジア向け輸出価格が反落
製鋼原料となる鉄スクラップのアジア地区向け輸出価格が反落した。指標品種の米国産No.1ヘビーの韓国向け価格は現在、一トン165ドル(運賃込み)と前週に比べ12ドル(6.8%)安い。韓国の鋼材需要は堅調だが、「昨年後半から今年初めにかけての過熱状態からは脱している」(商社)ため、需給緩和感が広がっている。商社などによると、韓国の大手電炉はこのほど米輸出業者との6月積み価格交渉で、一トン165ドルで成約した。輸入量は約4万トン。韓国の電炉
はすでに5月積みのスクラップを確保しており、一時の品薄感は後退している。
韓国では昨年末の大統領選に絡んで公共事業が増加。建設向けなどの鋼材需要が膨らみ、鉄スクラップも高騰していた。上昇局面で在庫を確保しようとする動きもあり品薄感が強まったが、3月以降米国からの輸入量が増加。一方で需要が旺盛だった中国の買いも一時に比べ沈静化しており、アジア市場の需給は緩和している。ただ、アジアの鋼材需要は依然堅調で「下げは限られる」(関東の鉄スクラップ問屋)との見方が強い。