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(回答先: 株、イラク情勢よりも金融問題がテーマ・新光総研の鶴田氏[Quick] 投稿者 Ddog 日時 2003 年 3 月 29 日 10:35:34)
株、外資撤退の影 日本市場の地位低下、債券投資の方がまし [Quick]
【ＮＱＮ】週末28日の東京株式市場で、日経平均株価は３日ぶりに反落
。海外投資家や個人投資家による小口の手じまい売りが終日優勢だった
。「３月決算期末を控えて国内機関投資家は身動きがとれない」といっ
た言い訳さえむなしく響く日本株市場の低落ぶりが露呈している。
日本株市場から逃げ出す外国資本――。24日の独ウエストＬＢ証券に
次いで、28日は独コメルツ証券の日本株業務撤退が明らかになった。米
バンク・オブ・アメリカは３月中に同業務を停止、英カザノブも５月に
東京支店を閉鎖し全面撤退する。他にも、一部外国証券の撤退観測がく
すぶる。経済悪化による株価下落に加え、空売り規制など政府の市場締
め付け策を嫌って外国人投資家の日本株注文が減少、採算が悪化したた
めだ。もっとも、市場関係者の間では「日本株市場の国際的な地位低下
の証し」と悲観的な受け止め方も多い。
ここにきての外国証券撤退は特に新しいニュースではない。伏線は既
に昨年からあった。2002年３月期の主要外国証券14社の決算は、メリル
リンチ日本の599億円の赤字を筆頭に10社が最終赤字を計上。黒字を確
保できたのは日興ソロモンやモルガン・スタンレーなど４社にとどまっ
た。相場低迷が収益を直撃、人件費などのコストを負担できなかったた
めだ。
「投下した資金に対し、最低でも本国の金利を上回る利益が出なけれ
ば撤退に動くのは外国資本の行動原理としては当然」とはいえる。例え
ば英国では、政策金利であるレポレートが年3.75％。欧州中央銀行の政
策金利である市場介入金利は、６日に引き下げられたとはいえ、2.50％
だ。資本家の理屈から言えば、赤字は言うに及ばず、金利分さえまかな
えない市場を相手に商売するより「債券投資に回した方がまだまし」と
なるわけだ。「デリバティブ（金融派生商品）や債権流動化などで優位
性がなければ生き残りは厳しい」との見方は多く、「日本株業務を続け
る外国証券は数社程度」との声すら聞かれる。
代行返上が収益圧迫、さらなるリストラも
そんな中、国内外の証券会社にとっては、さらなる逆風も吹き始めた
。企業年金による代行運用の返上だ。企業年金が代行返上で運用規模を
縮小すれば、当然証券会社への委託注文が減少する。運用資金は年金資
金運用基金（年資基金）に戻される。運用資金の総額が減少するとは考
えにくいが、年資基金の運用はパッシブ（株価指数連動）が基本。代行
運用で多用してきた、運用者の判断で超過収益を狙うアクティブ運用に
比べると、手数料収入が証券会社には入りにくい。26日には年資基金に
よる2003年度の国内株式への新規投入額（１兆7000億円）が明らかにな
ったが、代行返上された資金の行き先については不明で、株式市場に戻
ってくる保証も無い。
厚労省年金局によれば、26日時点での代行運用返上を認可した基金数
は481に達した。2002年度の代行返上に伴う株式売却は２兆円にのぼっ
たもようで、「2003年度は今年度以上に売りが膨らむ可能性がある」（
生保系運用会社ファンドマネジャー）。株式相場の上値圧迫要因として
投資家には頭の痛い問題だが、証券会社にとっては収益源の喪失は死活
問題と言える。「運用口座が減少すれば、その分ファンドマネジャーの
数も不要。結果として、セールストレーダーやアナリストにも過剰感が
生まれ、証券界は新たな淘汰（とうた）の時代に入る」（国内証券スト
ラテジスト）との危惧（きぐ）は根強い。
1998年の日本版金融ビッグバン（大改革）から５年が経過。その間、
証券界は幾多の整理・再編に見舞われてきた。91年のピーク時には17万
人近くいた証券人口も、昨年末には９万人余りにまで減少した。色あせ
たとはいえ、ビッグバンの理念である「フリー、フェア、グローバル」
のスローガンを、政官民挙げて改めて想起すべきではないか。（永井洋
一）
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。