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ロシア・シリア・トルコ・イラン・サウジアラビアは、「イラク侵略戦争」が「ブッシュ−フセイン合作戦争劇」であることを示す証拠を保有している可能性があると思う。
ほぼ間違いなくそれを保有していると考えられるのは、米英軍及びイラク側の無線を傍受した内容で戦況を速報していたサイト(iraqwar.ru)の存在からロシアである。
(このサイトは、フセイン政権の崩壊と機を一にするように、情報源である政府筋や軍事筋との関係と称して閉鎖された)
(iraqwar.ru)の戦況情報は、戦闘状況からそうなるのは致し方ないが、南部地域から中部地域に集中していた。
しかり、ぽつりぽつりと北部の情報も入っていたことから、北部地域の無線も傍受していたことは確かだ。
バグダットのロシア大使館が無線傍受の拠点であれば、大使一行がバグダッドを離れた4月6日時点で情報が途絶えても不思議ではない。(米英軍は通信について日や時刻などでいろいろ変更しているはずだから、装置まかせでは傍受できないだろう)
米軍がロシア大使一行の車列を銃撃して持ち物を改めるという“危機一髪”(戦争になってもおかしくない行為)をあえて行ったのは、無線傍受の録音テープを持ち出そうとしているかどうかを確認したかったからではないだろうか。
((iraqwar.ru)のサイトも、一度攻撃を受けて閲覧できない状態になっていたことが報告されている)
南部地域の交信記録はそれほど問題ないとしても、中部から北部地域の交信記録は、「ブッシュ−フセイン合作戦争劇」であったのなら、米軍側・イラク側ともにそうであることを物語る内容で満ちているはずだ。
しかし、4月7日の戦況情報もアップされていたので、ロシア大使館以外の場所で(も)無線は傍受されていたと思われる。
ロシアがイラク周辺に艦船(潜水艦)を送ったという情報は、フセイン政権崩壊直前だから海上からでもないだろう。
無線を傍受していた場所を推理すると、友好関係があるシリアとイランが浮かび上がってくる。(トルコ・ヨルダン・サウジアラビア・クウェートという親米諸国では無理だろう)
シリアとイランで無線を傍受していていれば、手に取るようにとまでは言わないが、様々な情報が入手できたはずだ。
親父アサドの時代から付き合いが深いシリアが無線傍受基地であった可能性は、イスラム政権であるイランよりもずっと高いと思われる。(南部地域の無線傍受はイランの方が地理的に有利)
フランスも航空母艦を派遣していたから情報を収集していたと思われるが、地中海にいてどれほどの情報が集められたかは疑問である。
イラクの周辺諸国はどこも、米軍の作戦行動を知る絶好の機会だから、必死で無線を傍受しようとしたはずだ。ただし、それが達成できたかどうかはわからない。(イラク側の無線は傍受できたとしても)
トルコは無線を傍受できたとしても、軍部や情報機関は米国べったりだから、それほど問題ない。サウジやヨルダンも同じだが、風聞に頼る程度であった可能性が高い。
シリアはソ連時代からのロシアの友好国だから、ロシア軍事情報筋がシリアで無線を傍受していたのなら、シリアの当局者もそのおこぼれに預かった可能性があると思う。
イラクが米国の手に落ちようとしているこの段階では、中東におけるシリアの重要性はとりわけ高いものがあるから、恩を売っておくのは悪くない。
イランで無線傍受をしていたとしても、その情報をイランと共有していたかどうかになると疑問だ。
WW氏の『「フセインはCIAのエージェント」と言う説もあったからね』( http://www.asyura.com/0304/war31/msg/814.html )のなかに、「Baghdad's Easy Fall Fuels Arab Conspiracy Theories」というロイターの記事が紹介されており、レバノンの国会議長Nabih Berri 氏がフセイン政権は米ロの取引で抵抗をやめてしまったと語ったことが書かれている。
このような陰謀説が、イランでもシリアでもなく、レバノンの政治家から出ているのが興味を引く。レバノンと言えば、シリアの強い影響下にある国である。
レバノンの政治家がそのような情報を得た筋としてはシリアの可能性が高く、問題は、なぜわざわざそのようなことを公言したのかということである。
シリアが漏らしたとしても、レバノンの政治家に事実をそのまま伝えるとは限らず、公表していいもしくは公表して欲しい内容で漏らしたはずだ。
このような手口は瀬戸際外交になる可能性もあるが、レバノンとシリアの関係は米国政権も熟知していることだから、「シリアはイラク戦争の裏側」を知っているというメッセージにはなる。俗に言う外交カードを持っていることを示したことになる。
米国政権とシリア政権は、表面的には非難し合っているが、生の外交場面では実のある話し合いがもたれている可能性もある。(米国政権は駐シリア大使がシリア外交当局と接触していることを公表している)
米国政権としても、現時点で「物証」付きないし詳細な経過説明付きの陰謀説を提示されてしまうのは避けたいはずだ。
シリア政権も、テロ支援国家に指定され続けて迷惑を被ってきたし、攻撃される現実性さえ出てきた現状では対米関係を改善したいと思っているはずだ。
このような意味で、シリアと米国の関係が悪化するのか改善するのか関心をもって見ていきたいと思う。
もう一つ気になるのは、シリアがフセイン政権のメンバーを受け入れているという米国政権の非難だ。
これは、『シリアパイプラインと「イスラエル」問題』( http://www.asyura.com/0304/dispute9/msg/957.html )で書いたように、アサド(親子)政権とフセイン政権が犬猿の仲であったことからありえないことだと思っている。
危険を犯してまでフセイン政権幹部を受け入れる義理がシリアにはないからである。
また、フセイン政権幹部はバグダッドからティクリートまででさえ逃亡させることはないと豪語していた米軍が、今になってシリアに逃亡したと叫ぶのは、不思議であると同時にみっともない話である。
イスラエル筋までもが同調しているようだが、シリアがフセイン政権幹部を受け入れたと米国が非難し続けている限り、米軍はフセイン政権の指名手配犯55人(2名は拘束済み)をイラク国内で捜索する必要はない。
米国はフセイン政権幹部がシリアに逃亡したと言い募り、シリアはそんな事実はないと否定し続けていれば、イラク国内に潜んでいるフセイン政権幹部は安泰ということになる。
国内にいる可能性が取り沙汰されれば、米英軍は必死の捜索をしなければならず、それでも見つけられなければ無能の烙印を押されてしまう。
フセイン政権中枢は、このようなことからイラク国内にいる可能性が高いと見ている。
トルコやキプロスなどに出た可能性も否定できないが、それではあまりにも“自由”がない生活を強いられることになる。
フセイン親子だけではなく、50人を超える数だから安全な国外にうまく分散させるのも難しい。
やはり、政権中枢メンバーほとんどの出身地であり牙城でもあったティクリート周辺にいる可能性が高いと思う。
ここまでの戦争の経緯から、フセイン政権とティクリート地元勢力とはとっくに話がついていると見るのが妥当だろう。(地元勢力はフセインの手下のはずだ)
そして、米英と同盟者であれば占領軍から追い求められることはないのだから、国外でびくびくするよりも、ティクリートあたりで過ごすほうがずっと優雅で心地いいはずだ。
ティクリート市内及び周辺の警備状況を探ると何らかのヒントが得られるかもしれない。
「BBCニュース」が昨夜ティクリートから中継していたが、照明を使う許可が出ていないとして、暗視カメラで撮影した映像を流していた。