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(回答先: ワイマールモデルを妄想する:今回も戦乱の扉が開かれる 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 4 月 08 日 18:48:33)
大量破壊兵器等の危険要素(疑惑だけですが)を処理せざるを得ないという価値観が一方(当然ながら米英の側)にあり、他方には、(アメリカの独善に対する心情的な反発もありますが、)戦後体制(もちろん国連中心主義etcです)を維持すべきとする価値観があります。ごく粗く標語的に申し上げると、「世界革命」対「保守主義(アメリカ国内の同名の政治潮流とは無関係)」です。
確実に申し上げられることは、米英は、ヒトラーに対する宥和政策が第二次世界大戦へ導いたとする歴史認識に依拠し、これをイラクへの非妥協的な態度の理由としていることです。「大量破壊兵器」の一部(BC兵器)は、これを禁ずる条約があります(イラクは未加入)。また、クウェート侵攻の歴史もあります。これとヒトラーを連想させる思考が、荒唐無稽とはいえません。
一方、戦後体制を維持すべきとの価値観は、戦後体制が、世界大戦による破局を回避したという歴史に依拠します。その意味で、今回の反戦運動を戦乱の恐怖とを結びつけるすみちゃん氏の所論はあたっていると思います。
歴史のアナロジーは、議論の説得力を補強する上では有効ですが、それ自体の正否を論理的に追求することができません。過去に曲がりなりにも機能した戦後体制ですが、「これからは機能しなくなる」などと主張されると、「論理」で反論することができません。「戦乱の時代を開くのはアメリカ」は、私などには自明に思える結論ですが、この論証は、現実を正確に分析することによって得られます。