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2003年5月26日 月曜日
『日韓大討論』の「まえがき」を書いたのは金完燮さん、「あとがき」は私だが、金さんの近況報告を綴ったこの「まえがき」を読むだけで、国家権力を挙げての迫害と有罪処分にこの国の目をみはらせる異常ぶりをあらためて知り、慄然とするものがあった。今年の三・一独立運動記念日には、ソウルの都心で「金完燮火刑式」が開かれ、彼に反対する街頭デモが行われたそうだ。
検察は刑法で彼を裁けないので、歴史上の人物である閔妃の「死者名誉毀損罪」という韓国に特有の法律を持ち出して、閔妃の八親等内の子孫をみつけ出して告訴にこぎつけるという手のこんだ遣り方であった。加えて「外患誘致煽動罪」という国事違反でも裁こうとした。後者は罪になると死刑か無期である。幸い2月に下った判決は700万ウォン(約70万円)の罰金刑ですんだが、有罪は有罪である。他の反日団体が有罪判決に鼓舞されて、新たな訴訟を次々と準備しているという。裁判所は彼の身辺保護要請を無視しているので、彼は身の危険をかんじているらしい。2月の判決の日には、法廷の外で待っていた閔妃の後裔によって、金さんは激しい暴行を受けた。
(中略) 「他者としての朝鮮半島」では金完燮さんへの国家的迫害がなぜ起こり、反日の構造がどういう歴史文化に由来するのかを考察してみた。元東京銀行ソウル支店長湯沢甲雄氏の証言と分析をまず紹介した。さらに日本民族のルーツは朝鮮半島であり天皇家も半島に由来するという韓国の古代史ブームの動機をとり上げた。日本人は5〜6世紀に半島から逃亡した食いっぱぐれの流民たち、罪人、浮浪者を前身として構成されたので、韓国民の賤民階級のさらに下に位置する奴隷階級とみなされて当然であるという、李朝以来の固定観念、起源がより上位に立つという儒教朱子学の宗教感情の病理をいろいろ考察してみた。(後略)
西尾幹二のインターネット目録 平成15年5月25日:http://hpcgi1.nifty.com/bellwoods/i-nikki.cgi
去年の2002年日韓ワールドカップは、様々な形で韓国の異常さを日本人に印象付けた。普段はテレビのニュースやバラエティーなどで韓国が紹介されるのを見る程度なのだが、ワールドカップでは多くが実況中継された。実況だとニュースなどではカットされる画面が見れる。そして、いかに日本のマスコミが脚色された韓国を紹介しているかがわかった。
NHKのW杯の開会式を見ても、かなり無理をして事実を見せまいと工夫を凝らしていた。それでも異常な形の日章旗や、金大中大統領の韓国5000年の歴史発言など、実況だとそのまま伝わってしまう。この韓国5000年の歴史も、小学校の歴史教科書で教えられていることだ。檀君神話を事実として教えているらしい。紹介すると次のとおり。
今から4300年程前、壇君は阿斯逹に都を定め、古朝鮮を築いたという話が我々の祖先が書き残した歴史書に出ている。壇君は国をおこし、「広く人間のために利益をもたらす」という理念のもと、国を治めた。この時から、我が民族はひとつに団結しはじめ、しだいに広く勢力を伸ばしてきた。 壇君が国をおこした話は、我が民族の長い歴史を物語るとともに、民族の源流を考えさせる話として、今日まで大切に伝えられている。またこれは、我々が苦難に遭遇するたびに民族の精神的な柱となり、民族精神を目覚めさせてくれたのである。
このように神話を「祖先が書き残した歴史書」と誤魔化している。そしていきなり百済、新羅、高句麗の三韓時代に3000年近くも歴史が飛んでしまう。実際には朝鮮民族、朝鮮語が形成されたのはこの頃らしい。紀元前後の三韓時代になって始めて中央集権国家が形成された。7世紀に新羅によって三韓は統一されましたが、実際には中国の隋と新羅は手を組んで統一された。
その後の新羅は高麗となり李氏朝鮮となった。李氏朝鮮の成立も中国の明の手を借りている。その間の朝鮮は中国とモンゴルの間接支配を受け続け、その状況は今も大して変わってはいない。しかし韓国の小学校の教科書では高句麗王朝として書かれている。新羅も李氏朝鮮も中国の柵封体制であるとは一言も書かれてはいない。
古朝鮮を創設した様々な部族国家は、互いに競争しながらしだいに強い勢力を持つ中心に団結し、より大きな国を築いた。これらが高句麗、百済、新羅の三国である。三国は互いに国力を育て立派な文化を花開かせた。高句麗では、広開土大王のような指導者が現れ、東は東海岸、西は遼東地方、南は漢江下流、北は北満州まで領土を広げた。満州地方まで占有した高句麗は、都を国内城から平壌へと移し、南へと領土を広げてきた。百済では、近肖古王の時、現在の京幾道、忠清道、全羅道地方を支配した。そして、中国、日本と往来しながら広い地域を百済の勢力圏に置き、海上貿易を行った。日本に学者を送り学問や技術を教えたこともこの時代のことである。
韓国の教科書では、中国との関係はあまり触れない反面、日本との関係は多く書かれている。日本の歴史教科書とは大分趣が違う。日本に対するコンプレックスを抱かないために、強調しているのだろう。整理項目として次のように書いている。
1、わが祖先は、日本の古代文化の発展に大きな役割を果たした。
(1) 三国の芸術が日本に伝わった跡を様々な所で発見することができる。
(2) わが祖先は、日本人をして文化と学問に覚醒させた。
2、わが祖先は早くから海外活動に積極的に取り組み成果の花を開かせた。
(1) となりの国との活発な貿易をするために南海の制海権をつかんだ。
(2) 他の国にわが国民が住む居住地をつくるなど海外進出が活発だった。
3、朝鮮時代にも、日本にわが国の文化を伝達した。
(1) 日本は、文化的に発達したわが国との交流を願っていた。
(2) 朝鮮通信使は日本の文化的な発展に大きく貢献した。
韓国の小学校の歴史教科書を眺めてみると、対日本関係の事が半分近くを占めている。しかも日帝支配に対するプロパガンダだ。内容については小学校からこのように教えられている事はかなり恐怖感を覚えます。日本政府やマスコミは何故抗議をしないのか。整理項目として次のように書いている。
1.日本帝国主義はわが国の主権を奪い、わが民族を過酷に弾圧した。
(1) 朝鮮総督府は、わが国を武力で統治した。
(2) 日帝は我等の財産をやたらに奪った。
(3) 日帝は、わが民族の生活の基盤や精神までをも奪おうとした。
2.わが民族は日本帝国主義の侵略に屈せず頻繁に独立の意志を見せた。
(1) 3・1運動は民族が団結して起こした独立運動であった。
(2) 3・1運動以後、独立運動を続けるため臨時政府を樹立した。
3.民族の独立運動は国の内外で、様々な方法で展開された。
(1) 海外では、独立運動のための武力闘争が続けられた。
(2) 国内では、民族精神を培う運動が展開された。
このように日本語に直された韓国の小学校の歴史教科書を見ていると、歴史教科書と言うより政治プロパガンダを、幼いうちから叩き込んでいる。内容を見ていてもかなり歴史が改竄されている。韓国や中国が、日本の歴史教科書に対し異常な神経を尖らすのも、自国で教えている歴史教科書の内容が改竄されているのが、ばれてしまうのが恐ろしいからだ。
西尾幹二氏と対談したキムワンソプ氏は、このような教育を受けた戦後世代ですが、オーストラリアに留学して、歴史の真実を知りショックを受けている。海外へ留学している多くの韓国人留学生はこの事実を受け入れられず、大学教授たちとトラブルを起こしている。
このような場合、転向するか、徹底的に抵抗するかのどちらかだが、キム氏は転向した少数派だ。そのようなキムワンソプ氏への思想弾圧はかなり厳しいものだ。この原因は韓国の歪んだ歴史教育にある。まさに戦後教育を受けた韓国の若者はヒトラーユーゲントみたいなものと見ればいいのだろう。いちど韓国の小学校の歴史教科書を見てください。
韓国の歴史教科書(小学校)日本語翻訳:http://village.infoweb.ne.jp/~jl6ehr/history.html