パキスタンで起きた米紙ウォールストリート・ジャーナルのダニエル・パール記者(38)誘拐事件で、主犯格として逮捕されたイスラム過激派の活動家アフメド・オマル・サイード・シェイク容疑者は14日、出頭した同国南部カラチの裁判所で誘拐したことを認めるとともに「私の知っている限り、彼は死んでいると思う」と語った。
同容疑者は12日に逮捕された直後、パール記者はカラチ市内で生存していると話すなど、供述は二転三転。同記者がいつ、どこで死亡したかなどは明らかにしておらず、捜査当局は安否を確認していない。
同容疑者は裁判所で「私自身の自由な意思に基づいて誘拐した。われわれの国(パキスタン)は米国の要求に迎合すべきでない」と語った。
14日付のパキスタン各紙によると、同容疑者は調べに対し、数人の共犯者がいることを明らかにし、パール記者を監禁している仲間とは数日前に電話で話したと供述している。
訪米中のパキスタンのムシャラフ大統領は13日、ブッシュ大統領と会談後の共同記者会見で、パール記者の生存について楽観的な見通しを明らかにしていた。
同記者はイスラム過激派の取材のため同国を訪れ、1月23日にカラチで行方不明になった。(イスラマバード14日共同)(毎日新聞)
[2月14日18時44分更新]