【ワシントン6日=林路郎】
米ホワイトハウスは6日、チェイニー副大統領が3月中旬、中東10か国と英国を歴訪することを明らかにした。米政府はこれに先立ち、中央情報局(CIA)のテネット長官を中東へ派遣する。チェイニー副大統領はブッシュ外交の枢要を担う強硬派。イラクへの軍事行動も念頭に、同盟各国に理解・支持を求める準備との観測が強まっている。
副大統領の訪問先は英国、クウェート、エジプト、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、バーレーン、カタール、トルコ、オマーン、ヨルダン、イスラエル。いずれも米国と軍事的なつながりのある国で、対同盟国外交の色彩が強い。アラファト・パレスチナ自治政府議長との会談は予定されておらず、米政府筋は「中東和平の仲介を目指すものではない」と述べている。
マタリン副大統領顧問はロイター通信に対し、「我々は、大統領が(北朝鮮、イラン、イラクを「悪の枢軸」と呼んで先制攻撃の可能性も示唆した)一般教書演説での議論を先に進めたい」と言明。副大統領は「現在進行中の対テロ戦争及びその他の地域安保問題に関する広範な議題を話し合う」と語った。
(2月7日11:17)