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(回答先: テロ出撃基地はマレーシア 米誌〔産経新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 1 月 28 日 11:41:51)
01/28 16:02 過激派摘発で安全神話に影 シンガポールのひずみ露 外信47
共同
シンガポールで、ウサマ・ビンラディン氏のテロ組織アルカイダ
と関連があるとされるイスラム地下組織「ジェマ・イスラミア」(
イスラム共同体)が昨年末摘発され、東南アジア随一とされる同国
の「安全神話」が揺らいでいる。
中国系人口が70%を超え、マレー系イスラム教徒が約15%の
同国は国民の生活水準の高さをよりどころに民族共存に成功してき
た。だが「恵まれた階層を除き、イスラム教徒には中国系が握る政
府やビジネス社会への不満がうっせきしている」(国立シンガポー
ル大学教授)との見方もある。
過激組織の存在は、普段は見えない社会のひずみと、マレーシア
、インドネシアなどイスラム文化圏に囲まれた「地理的脆弱(ぜい
じゃく)さ」を図らずも露呈した。
「公教育を受け、公団住宅に住む平均的なシンガポール人」。ス
トレーツ・タイムズ紙は、国内治安法で拘束された同組織シンガポ
ール支部のマレー系やインド系十四人の横顔を驚きをもって伝えた
。
高学歴者はいないが、軍関連施設の技師も含まれ、六人が兵役を
済ませた。いずれもイスラム神学校と縁はなく、モスクに熱心に通
っていた形跡もない。
リーダー格は高級マンションの管理人を十数年間務めていたイブ
ラヒム・マイディン氏(51)。一九九三年にはアフガニスタンへ
軍事訓練に赴いていたが、マンションの住人らは「物腰の柔らかい
人だった」と口をそろえた。同氏は自宅で開いていたイスラム勉強
会で同志を募っていった。
米施設を狙ったいくつかの計画のうち、米軍艦が寄港する造船所
の米軍人のシャトルバスを狙ったテロは実行寸前までいった。当局
は四トンの爆発物がマレーシアに保管されていたことも突き止めて
いる。
シンガポール政府は多民族融和に配慮した公団住宅政策や選挙制
度などを築いてきた。それでも、周辺のイスラム教国との戦闘を想
定して、軍隊では戦闘機の操縦士からマレー系を除外。公教育の場
ではイスラム教徒の女子生徒のスカーフ着用を禁じている。
イスラム教徒向けホームページを主宰する活動家は最近、過激組
織が生まれたのは「親米政策や、マレー系軽視の諸政策のせいだ。
ビンラディンはマレー系議員よりずっとましだ」と、同国では異例
の政府批判をぶち上げた。
民族問題に火が付くのを恐れる政府は「シンガポールのイスラム
教徒多数派の声を反映していない」と活動家を非難。過激組織の存
在が「管理国家」とも呼ばれる同国に与えた衝撃は収まりそうにな
い。(シンガポール共同=五井憲子)
(了) 020128 1601
[2002-01-28-16:02]