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(回答先: パ大統領、印に関係改善呼び掛け〔日本経済新聞〕 投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 1 月 05 日 16:24:04)
【カトマンズ小松健一】
南アジア7カ国で構成する南アジア地域協力連合(SAARC)首脳会議が5日、カトマンズで開幕した。開会式での各国首脳演説で、パキスタンのムシャラフ大統領が「(インドの)バジパイ首相に心からの友好の手を差し伸べたい」と語り、昨年12月のインド国会襲撃事件以来、緊張が高まっている両国関係の改善を求めて、バジパイ首相と握手した。
これに対し、バジパイ首相は自らの演説の最後に「ムシャラフ大統領が握手を求めたことをうれしく思う」と応えた。両首脳の個別会談の見通しは立っていないが、事態悪化は回避されるとの観測が広がっている。
9月の米同時多発テロを機に、印パ両国はアフガニスタンでの米国の軍事作戦を支持している。しかし、アフガン暫定政権への影響力行使をにらんで印パは水面下で対立。国会襲撃事件によって双方が両国境界線のカシミールに軍を増強させる事態にまで発展した。印パの緊張は米国の軍事作戦や、今後のアフガン情勢にも悪影響を与えかねず、英国のブレア首相が近く両国を訪問し、自制を求める。
ムシャラフ大統領は演説で「抵抗運動とテロを明確に区別しなければならない」と語り、印パ両国が領有を巡って争うカシミール問題を「解放闘争」と位置づける従来の姿勢を強調したが、「パキスタンはいつでも、どのようなレベルでもインドと対話する用意がある」と述べた。
一方、バジパイ首相は「テロは宗教、民族問題によって正当化することはできない」と主張。ムシャラフ大統領に対して「握手を求めた今日の行為を忘れず、あらゆるテロを容認しない対策を求める」と述べ、イスラム過激派摘発などパキスタンの対応を見守る姿勢を示した。
◆パキスタンのムシャラフ大統領が、インドのバジパイ首相の席に歩み寄り握手を求めた瞬間、各国首脳は驚き、拍手する余裕もなかった。「会議の流れはムシャラフ大統領への同情がベースになるかもしれない」(ネパール紙記者)との声が漏れるほど、見事な演出だったといえよう。
パキスタンは米国の「テロとの戦争」に協力し、米国や国際社会の信任を得るのと引き換えに、親パキスタンのタリバン政権を失った。アフガン暫定政権は親インドの北部同盟が主体で、インドはアフガンをSAARCに加盟させたい意向だ。インド主導でSAARCでのパキスタン孤立化が進めば、パキスタンの国内情勢は不安定化する。インドの画策にくさびを打ち込む意図が「握手」に込められていたとみていいだろう。
SAARCの最大の課題は、他の地域協力機構に比べて立ち遅れている経済の底上げや、地域経済協力の枠組みづくりだが、印パの長年の対立が足かせとなっている。
ムシャラフ大統領が先手を取ってバジパイ首相に関係改善を申し入れることで、インドがパキスタンとの対立をあおっている、との印象を与える狙いもあるようだ。 【カトマンズ小松健一】
◇南アジア地域協力連合(SAARC) インド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、ブータン、モルディブの7カ国で構成される。ラーマン・バングラデシュ大統領(当時)の提唱を受け、85年に正式発足した。加盟諸国の経済成長、文化発展の推進を図るのが目的。首脳会議、閣僚会議など各レベルの決定は全会一致が原則。印パの反目から首脳会議はたびたび延期されてきた。
[毎日新聞1月5日] ( 2002-01-05-20:35 )