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(回答先: ☆☆☆米国の石油謀略説は消えた☆☆☆ 投稿者 比ヤング 日時 2002 年 1 月 12 日 15:10:19)
比ヤングさんが転載している内容のどこが、「☆☆☆米国の石油謀略説は消えた☆☆☆」というタイトルになるんですか?
>印度ルートが浮上した「アフガン・パイプライン」の利権争奪
>ロシア企業が名乗りをあげた。「ソ連帝国」時代の残滓、石油とガスが儲かる
中央アジアの石油・天然ガスを「印度ルート」に持ち込むためには、現在のままの国境線では、中国(シンチアンウイグル自治区)かアフガニスタン(ワハン回廊)を通過する必要があります。しかも、インドが、従来より主張しているカシミール地方全域を領有化(実効支配)することで初めてアフガニスタンルートとつながるものです。
さらに言えば、中国に接するアフガニスタン北東部(ワハン回廊)は、ヒンドゥークシ山脈という3、4千m級の山々がそびえています。
このルートが“合理的”なものであれば、ユノカルだって、アフガニスタン南部ルートではなく、そのルートを追求したでしょう。
>ユノカルは「正式に計画をあきらめた」(「ファー・イースタン・エコノミック・
>レビュー誌、一月17日号)
公式にはそうなっていますが、フランス2やBBCは、ユノカルがその後も9・11時点まで非公式にタリバン政権とパイプライン敷設権について交渉を続けていたことを報じています。それを主張するフランス語の書籍も出たようですね。
>現実は小誌258号(12月27日号)で分析したように、この地域一帯の石油
>ガス「パイプライン」はほぼ99%、ロシアもしくはロシアがらみで抑えた。
> だからプーチンは米国と妥協し、一方でロシアにおける絶大な権力を彼は盤石に
>した。これが米国との密約の中身ではないか、と小生は推測した。
ロシアが中央アジアCIS諸国の天然資源を抑えたいと強く考えているのは間違いありません。そして、米国も、中央アジアCIS諸国の天然資源を抑えたいと強く考えているのは間違いありません。
「これが米国との密約の中身ではないか、と小生は推測した」とありますが、“これが近いうちにロシアと米国の対立として表面化する要因だ”と小生は推測します。
> ☆石油価格が20%も下落したときにプロジェクトを推進したりはしない
> ついで石油市場に目を転じると価格が昨年一年間で20%も下がり、OPECの
>原油価格統制は、参加各国の事情から抜け駆けが多いため以前のような強力なカル
>テルの機能はない。
石油価格の下落は一時的なものだと見ています。価格下落の目的は、OPEC諸国の“経済的疲弊”を狙ったもので、そう遠くないうち(2年ほど)に価格は上昇していくと思っています。米国がイラク・イラン・サウジアラビアのいずれか1国に対してでも攻撃を始めたら、石油価格は、その時点で急騰するでしょう。
「参加各国の事情から抜け駆けが多いため」ではなく、石油メジャー自体がこの時期価格を下げたい(前述の目的で)からであり、コスト余力のあるロシアなどOPEC非参加国が供給力をゆるめないからだと見ています。
> だが基本的な展望にたてば、2005年以降、アフガン経由のパイプラインは必ず
>必要になり「そのときまでに印度とパキスタンの領土紛争もおさまり、他の中央アジ
>ア諸国の政情も安定していれば、アフガニスタンは年間一億ドルから一億五千万ドル
>の外貨が「通貨料」として収入になりえるだろう」と米国国務省筋は計算する。
宮崎氏が、このような米国国務省筋の情報を紹介していながら、なぜ、「☆米国の石油謀略説は消えた」と結論づけたのか理解に苦しみます。
このような“計算”があるからこそ、米国は、アフガニスタンでの“長期駐留態勢”を築いているのです。
> このややこしい一帯を嘗てソ連帝国は制御できた。「そのノウハウを生かせば、
>できないことはない」とでも言いたげに新プロジェクトをガスプロムは振りかざす。
>だが唯一の欠陥。それは同社にカネがないことである。
ガスプロム社だけではなく、ロシアという国家自体にカネがありません。
ロシアは、そのような条件を理解した上で、中央アジアにおける自国の権益をいかにして最大限確保していくかということを考えているでしょう。そのためには、米国と組むことだって選択肢として持っているでしょう。
先日も書き込んだように、そのためのウルトラCが“ロシアのEU参加意志表明”だと考えています。EUが、NATO軍とは別の独自軍事組織を造ろうという動きもありますしね。
結論的に言って、転載された文章は、比ヤングさんが主張して?いるような「☆☆☆米国の石油謀略説は消えた☆☆☆」の論拠にはなっていないものです。