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【北京・坂東賢治】中国外務省の孫玉璽報道官は10日の会見で、米国防総省が地下核実験再開に含みを持たせた報告を発表したことに「我々はあらゆる国が全面的核実験禁止条約(CTBT)を順守し、できるだけ早く調印、批准することを期待している」と述べた。
世界の多極化を目指し米国の「一極支配」に反対する中国が、米国の唯我独尊的な行動に警戒を強めているのは間違いない。ただ、経済建設を重視する基本戦略からは、米国に対抗して軍事費増大を招く事態を避けたいのも本音だ。
江沢民国家主席は米国のABM制限条約脱退宣言に対し「各国とともに世界の平和と安定に向けた努力を続けたい」と、軍縮努力継続の意向を強調した。国際社会と協調し、米国の異質さを浮き彫りにするのが得策との思惑もにじむ。
しかし中国自身、CTBTを批准していない。ブッシュ政権の政策転換に対する中国軍の警戒があると見られる。今後、米国が実際に核実験再開に動くようなことがあれば、軍内の対米警戒論が高まり、核実験再開の主張が強まる恐れもある。
孫報道官はCIAの報告書が中国の長距離核ミサイル増強を予測していることを「根拠のない憶測だ」と述べる一方で、「中国は必要に応じて国防力を強化していく」と強調した。
米国のミサイル防衛が実現に近づけば、中国は限定的な報復能力の維持のために核ミサイルの多弾頭化やミサイル数の増加を目指すことが予想され、結果的に日本や台湾を含めたアジア地域の軍拡競争に結びつく危険性も出てくる。
[毎日新聞1月11日] ( 2002-01-11-00:11 )