★阿修羅♪ 戦争8 ★阿修羅♪ |
(回答先: 破壊の様子を住民が証言 バーミヤンの大仏立像 投稿者 倉田佳典 日時 2002 年 1 月 07 日 18:24:33)
01/08 16:00 歴史的石窟群に暮らす 家失ったバーミヤン住民 遺 外信53
共同
昨年三月、当時のアフガニスタン・タリバン政権が世界的な文化
遺産の二体の大仏立像を爆破した中部バーミヤン。タリバンの圧政
を避けて周囲の山岳地帯などに逃れていた住民が昨年十二月の同政
権崩壊と相前後して街に戻り始めたが、その一部は家を破壊される
などしたため大仏立像のあった石窟(せっくつ)群で暮らしていた
。
バーミヤンは標高約二五○○メートル。ヒンズークシ山脈に連な
る三○○○メートルを超える山々に囲まれた盆地にある。一月の朝
晩の冷え込みは氷点下。イスラム教では少数派のシーア派、ハザラ
人が住む。
六―九世紀にかけて造られたとされる石窟群は街の北側の高さ百
メートル以上の岩壁にある。二体の大仏立像があったほか、寺院や
僧坊などとして使われた石窟が岩壁の三十―四十メートルの高さを
中心に多数残る。
ヤマンさん(25)一家は今年に入って六畳ほどの広さの石窟に
住み始めた。ヤマンさんは約三年間タリバンの捕虜となっていた。
母親と妻、息子は山岳地帯に避難、タリバン政権崩壊後にヤマンさ
んと再会した。
タリバンの拷問で右手が不自由になり聴力も落ちたヤマンさんは
職探し中だ。母親は「生活に必要なものが何もない」と訴える。
人々は二体あった大仏立像の間の数百メートルの間の石窟に集中
して住んでいる。大人がかがんでやっと入れるような石窟が多く、
中は昼間も薄暗い。地面を掘ってかまどをつくり、料理や暖を取る
のに使っている。薄いじゅうたんや布が布団代わりだ。
入り口に石を積んで壁をつくったり、ビニールシートで覆ったり
しているところもあるが、吹きさらしの場所も。岩壁には土ぼこり
が舞い、大人も子供も手や顔が黒ずんでいる。
食料について尋ねると一様に直径数センチの小さなジャガイモを
出して見せる。非政府組織(NGO)などの支援物資がバーミヤン
にも届き始めたが、石窟の住民の多くは「何も受け取っていない」
と話す。
バーミヤンを実効支配するイスラム統一党ハリリ氏の関係者によ
ると、近郊の村も含め約七万人の住民のうち、タリバン時代に六万
人以上が避難、これまでに約三万人が戻った。石窟群には約三百世
帯、二千人程度が暮らしており、少しずつだが増えているという。
石窟で人々が飢えと寒さを何とかしのいでいる一方で、国際社会
では大仏立像再建の動きがあり、昨年末にはスイスから専門家が現
地調査に訪れ、再建可能との見解を示したという。
妻と子供五人と十二月半ばから石窟に住むジャワドさん(43)
は「仏像は世界的な遺産で再建は重要だ」と前置きしながら、控え
めな口調で「再建資金があるなら、まず住民の生活への援助に回し
てほしい」と語った。(アフガニスタン中部バーミヤン共同=八谷
敏弘)
(了) 020108 1600
[2002-01-08-16:00]