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不審船撃沈事件の推移を見守っている過程で、『読売新聞』のオンライン情報にも時々アクセスしていたが、同一タイトルの記事が、不審船の「追跡中」と「撃沈後」で大きく変わっていることがわかった。
その記事は、「政府、不審船事件に強い方針で臨む」というタイトルで、最初は12・22の23:29にアップされている。記事の内容から“撃沈”情報が入る前に書かれたものだとわかる。
23:26の記事に“上書き”するかたちで、同一タイトルの記事がアップされたのが12・23の02:37である。記事の内容から“撃沈”情報を入手した後に書かれたものだとわかる。
記事は、12・22不審船追跡劇に対する政府の対応を時系列に追ったものである。
原文は、後ろに添付するが、異なる記事部分のみ先に提示する。
[02:37]にのみ存在 ※ [23:29]にはない記事部分
『小泉首相は22日深夜、首相公邸で安倍官房副長官から報告を受けると、「2名の海保の方が負傷しているので、漂流中の(不審船の)乗組員の身柄確保にあたっては、万全を期すように」と指示した。
政府は今のところ、不審船の国籍は北朝鮮の可能性が高いと見ている。その理由として、(1)不審船からの射撃が正確だった(2)99年の不審船と形が似ている(3)不審船が受けた船体射撃の被害の割に沈むのが早く、自沈させた可能性がある(4)沈没する際に乗組員がライフジャケットを着て、一斉に飛び降りた、などを挙げている。』
[23:29]にのみ存在 ※ [02:37]にはない記事部分
『地元の山口県にいた安倍晋三官房副長官は午前10時すぎに第一報を聞いた。昼すぎには威嚇射撃の事前通報を受け、北朝鮮の不審船の可能性もあると判断。急きょ予定を1日繰り上げて帰京し、午後4時半すぎに首相官邸に飛び込んだ。』
<<両方に存在し記述が異なる部分>>
[23:29]
『政府は「中国の密航船にほぼ間違いない」との情報を受けて、外務省は非公式に中国政府に不審船について照会。』
[02:37]
『政府は「中国の密航船の可能性がある」との情報を受けて、外務省は非公式に中国政府に不審船について照会。』
23:29の記事を書いた時点の『読売新聞』社会部は、政府が中国の密航船にほぼ間違いないという情報を受けていたことを公にしていたのである。
この「記事差し替え」問題は、軽い表現変更とは言えない。あとで事実がくわしくわかったから変更したという言い訳ができるものではない。
外務省を通じて非公式に中国政府に不審船について照会した契機が、「中国の密航船にほぼ間違いない」という情報を受けたからであったという事実に“変化”はないからである。
さらに問題なのは、「中国の密航船にほぼ間違いない」という情報が政府に伝わっていたという事実を“抹殺”するために、そのような表現を含む記事自体を“上書き”で“抹殺”しようとしたのではないかという疑いが生じることである。
『「中国の密航船の可能性がある」との情報』部分を残したのは、両方の記事を書いた記者のせめてもの“抵抗”だった可能性もあるだろう。(笑)
このような“工作”を行った『読売新聞』社会部は、「不審船撃沈事件」の“真相”についてある程度知っている可能性があると思わざるを得ない。
『読売新聞』と日本政府は、「中国の密航船にほぼ間違いない」という情報の内容や根拠を国民に公表する義務があるだろう。
そして、この書き込みを読まれている方ならご存じのように、「不審船撃沈事件」の翌日からは、不審船が“北朝鮮のもの”である可能性が高いという情報を補強するためのメディア報道が満ちあふれるようになった。
当該『読売新聞』オンライン記事も、撃沈直後には一転して 『政府は今のところ、不審船の国籍は北朝鮮の可能性が高いと見ている。その理由として、(1)不審船からの射撃が正確だった(2)99年の不審船と形が似ている(3)不審船が受けた船体射撃の被害の割に沈むのが早く、自沈させた可能性がある(4)沈没する際に乗組員がライフジャケットを着て、一斉に飛び降りた、などを挙げている。』
>(1)不審船からの射撃が正確だった
これはWWさんなども書き込みされているように、高度な訓練を受けた工作部隊のものとは断定できないと考える。
>(2)99年の不審船と形が似ている
形状は追跡を始めた時点からわかっていることである。それでもなお、「中国の密航船にほぼ間違いない」という情報が入ってきているのである。
>(3)不審船が受けた船体射撃の被害の割に沈むのが早く、自沈させた可能性がある
可能性だけの言及だからどうのこうの言いたくないが、公表されたビデオを見た限り、あれじゃあすぐに沈むわなというのが率直な感想である。20mm機関砲を300発以上を当てているんだから。
>(4)沈没する際に乗組員がライフジャケットを着て、一斉に飛び降りた、
じゃあ、乗組員は助かろうとしたんだから、自沈の可能性という(3)と矛盾する。ライフジャケットは韓国で流通しているもので1万円もするという。北朝鮮の工作部隊が、自国製ではなく、韓国の1万円もするライフジャケットを使ってるの?
9・11空爆テロのブッシュ政権と同様のマスコミ操作、というより政府とマスコミが一体となった“情報操作”が現在の日本でも大々的に展開されているのである。
日本の場合は、それが、かつて強権的に併合した国家の一部で現在なお外交関係もない“嫌われ者”北朝鮮をスケープゴートにするかたちで進められている。
中国政府の政治的判断も理解できないわけではないし、日本政府の政治的判断も理解できないわけではない。
あの「撃沈不審船」に中国人が多数乗っていたという事実が知れわたった場合、日中関係にどれほどの影響を及ぼすだろうかと考えたらぞっとするものがある。
※ こんなことを書きながら、こんな書き込みをしているのも、「北朝鮮の工作船」説や「北朝鮮の覚醒剤密輸船」説などを、政府やメディアがまるで煽るかのように広めているからである。それに、あっしごときが書き込みしても、影響力はないしね(笑)
しかし、そのような政治的判断に従って、昨今のような国際情勢のなかで、北朝鮮をスケープゴートにするという策動は絶対にやめるべきである。
北朝鮮攻撃言動をすでに見せているブッシュ政権が、実際に北朝鮮を攻撃すると宣言したとき、不審船事件で“頭に来ている”日本国民がそれを歓迎するような事態にもなりかねないのだ。
とにかく、日本政府及びメディアは、米軍情報までをも持ち出した「撃沈不審船」に関するつまらない情報操作を止めて、「国籍不明の不審船」で押し通すべきである。
今回の「撃沈不審船」に北朝鮮を巻き込む情報策動は、日本国の長期的な国益にとって大きな損失となるだろう。
日本政府がほんとうの情報をいつまでも隠し通せると考えているのなら、とんでもないしっぺ返しを受けることになるだろう。
日本は、アジアをはじめとした世界の諸国家から、政府は公言しないとしても国民から、“精神的に孤立”することになってしまうだろう。
日本政府は、ブッシュ政権とともに地獄へと堕ちていく道を国民に強いる気なのか!?
日中両政府が政治的な判断で「撃沈不審船」の引き揚げを見送るというのなら、それもやむを得ないことだと思う。
そして、そういう判断なら、最後まで、あの不審船は「国籍不明の不審船」のままで終わらせてしまうべきなのである。
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政府、不審船事件に強い方針で臨む [読売新聞]
東シナ海の国籍不明の不審船事件で、政府は首相官邸に情報を集めるとともに、捕そくに向けて強い方針で臨んだ。不審船の沈没という結果についても「法に基づいた正当な行為であり、問題はない」としている。99年3月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の不審船事件では不審船を取り逃がして批判を浴びただけに、その轍(てつ)を踏まないようにとの判断が働いたといえる。
首相官邸が本格的に動き始めたのは午前11時ごろだった。杉田和博内閣危機管理監、大森敬治官房副長官補が相次いで官邸別館の危機管理センターに入り、関係機関から情報を集めた。
地元の山口県にいた安倍晋三官房副長官は午前10時すぎに第一報を聞いた。昼すぎには威嚇射撃の事前通報を受け、北朝鮮の不審船の可能性もあると判断。急きょ予定を1日繰り上げて帰京し、午後4時半すぎに首相官邸に飛び込んだ。
「(船の速度は)遅いらしいし、今度は逃げられることはないんじゃないか」。安倍副長官は99年の不審船事件と比べながら、記者団にこう語り、捕そくに自信を見せた。
隣の公邸で不審船の動きについて逐一報告を受けていた小泉首相は「万全を尽くしてほしい」と安倍副長官に指示。自民党本部に報告で訪れた安倍副長官に対して、防衛族幹部でもある山崎拓幹事長は「悪い前例を作ってはいけない。必ず捕そくしろ」と要請した。
政府は「中国の密航船にほぼ間違いない」との情報を受けて、外務省は非公式に中国政府に不審船について照会。一方、陸上での治安出動に準じた「海上警備行動」の発令の対象ではないとの見方だったが、万一の場合に備えて海上自衛隊が「威嚇の目的」(首相周辺)でイージス護衛艦を現場に向かわせるなど、万全の態勢をとった。
99年のときは、不審船が海上保安庁の威嚇射撃や、海上自衛隊の警告射撃などを振り切って逃走した。政府は今年秋の臨時国会で、船体射撃をして相手に危害を加えても違法とならない条件を広げるため、海上保安庁法と自衛隊法を改正。不審船を見つけた場合、強硬な対応も取れるよう態勢づくりを進めていた。(23:29)
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政府、不審船事件に強い方針で臨む [読売新聞]
東シナ海の国籍不明の不審船事件で、政府は首相官邸に情報を集めるとともに、捕そくに向けて強い方針で臨んだ。不審船の沈没という結果についても「法に基づいた正当な行為であり、問題はない」としている。99年3月、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の不審船事件では不審船を取り逃がして批判を浴びただけに、その轍(てつ)を踏まないようにとの判断が働いたといえる。
小泉首相は22日深夜、首相公邸で安倍官房副長官から報告を受けると、「2名の海保の方が負傷しているので、漂流中の(不審船の)乗組員の身柄確保にあたっては、万全を期すように」と指示した。
政府は今のところ、不審船の国籍は北朝鮮の可能性が高いと見ている。その理由として、(1)不審船からの射撃が正確だった(2)99年の不審船と形が似ている(3)不審船が受けた船体射撃の被害の割に沈むのが早く、自沈させた可能性がある(4)沈没する際に乗組員がライフジャケットを着て、一斉に飛び降りた、などを挙げている。
首相官邸が本格的に動き始めたのは午前11時ごろだった。杉田和博内閣危機管理監、大森敬治官房副長官補が相次いで官邸別館の危機管理センターに入り、関係機関から情報を集めた。地元の山口県にいた安倍官房副長官は午前10時すぎに第一報を聞いた。昼すぎには威嚇射撃の事前通報を受け、北朝鮮の不審船の可能性もあると判断。急きょ予定を1日繰り上げて帰京し、午後4時半すぎに首相官邸に飛び込んだ。
「(船の速度は)遅いらしいし、今度は逃げられることはないんじゃないか」。安倍副長官は99年の不審船事件と比べながら、記者団にこう語り、捕そくに自信を見せた。
隣の公邸で不審船の動きについて逐一報告を受けていた小泉首相は「万全を尽くしてほしい」と安倍副長官に指示。自民党本部に報告で訪れた安倍副長官に対して、防衛族幹部でもある山崎拓幹事長は「悪い前例を作ってはいけない。必ず捕そくしろ」と要請した。
政府は「中国の密航船の可能性がある」との情報を受けて、外務省は非公式に中国政府に不審船について照会。一方、陸上での治安出動に準じた「海上警備行動」の発令の対象ではないとの見方だったが、万一の場合に備えて海上自衛隊が「威嚇の目的」(首相周辺)でイージス護衛艦を現場に向かわせるなど、万全の態勢をとった。
99年のときは、不審船が海上保安庁の威嚇射撃や、海上自衛隊の警告射撃などを振り切って逃走した。政府は今年秋の臨時国会で、船体射撃をして相手に危害を加えても違法とならない条件を広げるため、海上保安庁法と自衛隊法を改正。不審船を見つけた場合、強硬な対応も取れるよう態勢づくりを進めていた。(02:37)