投稿者 ごろた石 日時 2001 年 12 月 06 日 22:52:37:
(回答先: Re: そうですか (沈黙) 投稿者 あっしら 日時 2001 年 12 月 06 日 21:20:32)
僕はとにかく、諸悪の根源は兵器産業だと思います。
争いのない世の中などない。しかし、少なくとも、兵器がなければ今のような阿鼻叫喚的な事態にはならずにすんでいると思います。
世界最大の兵器産業国はアメリカで、総輸出額の40パーセント超が軍需製品です。
「兵器は使うためにある」は人間のサガです。・・・
「アメリカのシオニズム」 エドワード・サイード (2001/12/06)
【海外論壇クリップ】アメリカのシオニズム
http://www.apc.cup.com/index.html?no=107.1.0.0.123.0.0.0.0.0.
から。
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American Zionosm (3)
2000年11月20日、Al Ahram Weekly
Edward Said Extra サイード オンライン
アメリカのシオニズムは対照法的思考とオーウェルが描いたような歪曲のシステムであるが、その一段と奇妙なところは、ことイスラエルに関しては、ユダヤ人の暴力、あるいはユダヤ人の行為を話題にすることを許さないことである。イスラエルの行動はすべてユダヤ人の名において、ユダヤ国家のために、ユダヤ国家によってなされているにもかかわらず、こうなのだ。人口の20パーセント近くがユダヤ系ではないのだから、そのような国の呼び方自体が誤りなのであるが、そういう指摘がなされることはない。このこともまた、「アラブ系イスラエル人」と呼ばれるものと「パレスチナ人」と呼ばれるものをメディアが完全に意図的に区別している理由を説明する。そこにおいて視聴者や読者から隠蔽されているのは、このふたつは実は同一の人々であり、シオニストの政策によって分離されているに過ぎないという事実であり、またこの二つの社会はそれぞれがイスラエルの政策の帰結を象徴している──前者はアパルトヘイト、他方は軍事占領と民族浄化──という事実である。
最後に、アメリカのシオニズムは、イスラエル(合衆国の対外援助の突出して大きな受取人である)について、その過去についても未来についても、公然と論議の場に載せることは、いかなる状況においても許されないタブーとしてきた。これを文字通りアメリカの言説における最後のタブーと呼ぶことは、決して誇張ではない。妊娠中絶、同性愛、死刑、さらには軍の予算という神聖領域までもが、ある程度は自由な(常に限度はあるにせよ)議論に開かれてきた。アメリカ国旗が人前で燃やされることはありえても、イスラエルが52年におよぶパレスチナ人に対する組織的な支配を続けてきたことについては事実上、想像することもできない。表に出ることが許されない物語なのだ。
ここ4週間パレスチナで起こった出来事は、合衆国におけるシオニズムの完璧に近い勝利であった。これは1960年代末にパレスチナの民族運動が近代的な形で再生して以来、初めてのことである。アメリカの政治や公論の場における論議はイスラエルを犠牲者へと決定的に変身させることに成功し、最近の衝突で140人以上のパレスチナ人の命が失われ 5000人の死傷者が報告されているにもかかわらず、いわゆる「パレスチナ人の暴力行使」こそが「和平プロセス」の順調な進展を妨げてきたのだということで世論が一致している。
いまや一連の決まり文句による「祈祷集」ができあがっており、論説委員はだれもかれも、そのまま経文を繰り返すか、さもなければそれを暗黙の前提として話を進めるのである。これらの文句は、当惑する者たちを導く指針として、耳に、心に、記憶に、刻みつけられ、少なくとも過去一ヶ月にわたって空気を重苦しくしてきた表現を浄化するためのマニュアルないし機械装置なのだ。 その多くを、わたしはそらんじることができる。「バラク首相はキャンプ・デービッドの交渉で歴代イスラエル首相のだれよりも多くの譲歩を申し出た(占領地の90パーセント返還と東エルサレムにおける部分的主権)」、「アラファトは卑怯者で、イスラエルの申し出を受け入れ紛争に終止符を打つだけの勇気がなかった」、「アラファトの指令によるパレスチナ人の暴力がイスラエルを脅かしており(これには、さまざまなバリエーションがある──たとえば、イスラエルの消滅を願っている、反ユダヤ主義、テレビに出るための自爆攻撃、子供を最前線に立たせ殉教者をつくりあげる、など)伝統的な反ユダヤ感情がその背後にあることを証明している」、「アラファトは指導力が弱いためパレスチナ人によるユダヤ人攻撃を抑制することができず、彼らはテロリストを放ち、イスラエルの存在を否定する教科書を作成して反感を煽っている」等々。
この他にもまだ二、三の常套句はあるだろうが、基本的には次のような一般イメージが定着していると言えよう──イスラエルは投石してくる野蛮人に完全に包囲されているため、彼らからイスラエル人を「守る」ために投入されたミサイルや戦車や武装ヘリコプターさえも、この恐るべき勢力をかろうじて食い止めているものに過ぎない。パレスチナ人は「撤退」せよというビル・クリントンの勧告(彼の国務長官は忠実にこれを復唱した)の効果は絶大で、パレスチナ人がイスラエルの領土を侵略しているのであり、その逆ではないという印象を与えたのである。
このようなメディアの「シオニスト化」は大いに成功しており、テレビや出版物には(地理と歴史に弱いことで有名な)アメリカの視聴者や読者にガザ地区と西岸地区で起こっていることを気づかせるような地図は一枚たりとも掲げられていない。そこではパレスチナ人の土地にイスラエルの野営地や入植地、道路、バリケードなどが縦横無尽に走っているのだ。さらに、1982年のベイルートと同様に、アラファトとその部下たちも含めパレスチナ人たちはイスラエルによる本物の包囲攻撃を受けているのである。もはや完全に忘れ去られている(一度たりとも理解されたことがあったとしての話だが)らしいのは、占領地区をA、B、Cの三区域に分割する制度である。これによりガザ地区の60パーセントと西岸地区40パーセントの軍事占領が継続されているのだが、オスロ合意に基づく和平プロセスはこの制度を決して本気で終わらせようとはしておらず、緩和さえ想定していない.
以下はhttp://home.att.ne.jp/sun/RUR55/J/uszionsm3.htm
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