投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 12 月 01 日 19:13:54:
11/30 19:01 核テロ防護強化策を提出 違法取引根絶へ協力要請 外信65
【ウィーン30日共同】国際原子力機関(IAEA)のエルバラ
ダイ事務局長は三十日、米中枢同時テロを受け高まりつつある核テ
ロの脅威に備えて、核物質や原発など核施設の一層の管理強化を目
指す「核テロ防護プログラム」の概要をウィーンで開催中のIAE
A理事会に提出した。
プログラムはテロ組織の核入手への懸念に初めて具体的に言及。
旧ソ連諸国などで不安視されている核物質の違法取引の取り締まり
に向けた国際協力も呼び掛け、これまで比較的緩やかだった病院な
どでの放射性物質の管理強化も盛り込んでいる。
また核テロなどの緊急事態に対処できる国際的な対応チームの創
設を提案している。
同理事会で了承されれば、今後、加盟国間で関連の条約改正など
具体策を協議、最終的には来春の理事会でまとめられる予定。
プログラムは、核兵器の盗難防止、核物質、放射性物質の管理強
化、核関連施設の防護強化、核テロが起きた場合の緊急対応の五項
目からなり、それぞれ関係する加盟国に一層の管理強化などを要求
、ノウハウがない場合はIAEAが協力態勢を取るとしている。
IAEAによると、プログラムの実施には年間三千万―五千万ド
ルの追加予算が必要で、米国が拠出を検討しているほか、エルバラ
ダイ事務局長も加盟国への協力を呼び掛けている。
IAEAでは同時テロ後、九月の総会で核管理強化を宣言し、具
体策について検討を進めてきた。
(了) 011130 1900
[2001-11-30-19:00]
11/30 19:01 核テロ防護プログラム要旨 外信67
【ウィーン30日共同】国際原子力機関(IAEA)が三十日発
表した核テロ防護プログラムの要旨は次の通り。
一、核兵器の盗難防止は保有国の義務であり、IAEAは現在の
管理態勢の再点検を要求する。
一、核物質の管理は各国にゆだねられているが、違法取引が報告
されるなど適切とはいえない。現在、核物質防護のための国際的な
基準はなく、既存の国際協定の改正や拡充を求める。
一、いくつかの加盟国では放射性物質がずさんな保管状態に置か
れており、管理強化のための措置を取ることを求める。
一、原発などの核施設の防護態勢は国や施設で違いがあるが、外
部、内部からのテロ行為などに対処するため現在の安全態勢の格上
げ、指針の見直しなどを提案する。
一、IAEAは核テロによる緊急事態に即座に対処できるが、よ
り大規模な事態に対応するためシステムの拡充を求める。また被害
に遭った国にすぐ派遣できる国際的な対応チームの新設を提案する
。
(了) 011130 1900
[2001-11-30-19:01]