投稿者 mainichi 日時 2001 年 10 月 28 日 21:39:23:
自衛隊と米軍 共同機関設置へ 役割、権限を協議
テロ対策支援法案に盛り込まれている米軍への協力支援活動で、防衛庁は27日、支援活動の実施前に日米の制服組同士による共同機関を設ける意向を明らかにした。連絡系統や補給作業手順などの共通基準や実施要領などを検討する。自衛隊が、軍事作戦を展開中の米軍と一緒に行動するのは初めてのケースで、活動現場における互いの役割や権限を明確にした運用システムを定める方針だ。
共同機関の規模やメンバーなど具体的な中身は米側との協議が必要だが、防衛庁の構想では、自衛隊側は統合幕僚会議と陸海空の代表者で構成する。個々の支援項目について、自衛隊の(1)規模や装備(2)活動期間(3)活動内容――などを米軍と調整し、具体的な運用方法を定める。現場での米軍の要請方法、自衛隊の拒否権を含む権限など、互いの役割と位置付けも明確にする方針。
自衛隊の協力支援には憲法上の制約があり、米軍の指揮に組み込まれての活動は集団的自衛権の行使にあたり認められない。だが現状では、米軍と一緒に行動する現場で一体化との線引きをどのようにするか不透明なほか、攻撃された場合などの緊急時に主体性を維持できるのか疑問の声もあり、事前調整でどのような取り決めがされるか注目される。
政府は法が成立後の11月1日、「日米安全保障高級事務レベル協議」(SSC)を東京で開き、自衛隊の協力項目を米側と詰める作業に入る。ただ実際に活動を始める前に、制服レベルの共同機関を設け共通の運用基準を定める必要があると判断している。
[毎日新聞10月28日]