投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 26 日 14:20:01:
【ワシントン25日=館林牧子】
トーマス・リッジ米国土安全局長官は25日、全米各地に送付された炭疽(たんそ)菌の分析の中間報告を発表した。発表によると、米フロリダ、ニューヨーク、ワシントン(米議会)に送られた炭疽菌はDNA鑑定で、いずれも米国産の「エームズ株」と判明した。
また、形状分析からは、米議会に送付された菌は、致死率を高めるため、粒子を小さく、純度を高めるなど特殊技術を用いて加工した危険なものであることが判明。加工を否定したこれまでの見解を覆した。こうした加工技術は米国のほか、イラク、旧ソ連など炭疽菌を生物兵器として開発した経験のある国が持つとされるが、リッジ長官は「調査段階にある」として、一連の炭疽菌テロとこうした国々の関連についての明言は避けた。
リッジ長官が初めて明らかにした「エームズ株」は、1950年代に米アイオワ州の研究所で開発され、米国で生物兵器開発研究やワクチン生産のために使われているほか、世界中に広く研究材料として流通しているという。遺伝子組み換えなどはしていないため、抗生物質で治療可能だ。
しかし、菌株がごく一般的なものだったのとは対象的に、米議会に送付された菌は、致死率の高い肺炭疽を発病させやすいよう、特殊な工夫が凝らされていた。米陸軍感染症医学研究所によると、現場である程度の量の菌が採集できた米議会と米紙ニューヨーク・ポスト社のものを比較したところ、ニューヨーク・ポスト社の菌は粒子が大きく不ぞろいだったが、米議会に送られた菌は手紙の開封時に拡散しやすいよう超微粒子に加工され、純度の高い「危険な」タイプだったことがわかったという。
(10月26日13:53)