投稿者 佐藤雅彦 日時 2001 年 10 月 23 日 14:02:43:
●連邦議会への郵便物を扱っているワシントンDCの
郵便局の職員が「肺炭疽」になって「死者」も出た、という
ニュースが報じられていますが、ちょっと気になることが
あるので、今後の経緯を注目する必要がありそうです。
●炭疽菌が生物兵器に使用される場合、大量殺傷を目的
とする以上、皮膚炭疽のようなものでなく、肺炭疽の大量
発生が狙われるでしょう。少なくとも、過去の生物兵器の
戦略的な使用目的は、そうした病気を大規模に巻き起こす
ということでしたし、そのために菌体が肺に到達しやすいよう
芽胞を含んだ生物剤粒子をできるだけ細かく精製することが
重要だと考えられてきたわけです。
●米国でも、フロリダ州ボカラトンのアメリカン・メディア社の
老社員がすでに肺炭疽で死亡していますが、それ以外は
これまで皮膚炭疽の徴候が確認されたにすぎず、しかも
分析された細菌は(マスコミ発表を信じるかぎり)細菌戦争用
とは思えない、という結論になっていたのでした。
●ところが、ここにきて郵便局員の肺炭疽によると「おぼしき」
死亡例が2例立て続けに出たわけですから、これによって
生物兵器テロ説はますます強化され、市民のパニックと、
生物兵器開発の背後にいる、という“評判”のイラクを叩くと
いう口実も通りやすくなっていくでしょう。
●しかし、今回の郵便局員の死亡事件、即断は禁物ながら、
なんともイカガわしいのです。なにしろ――
リッジ長官によると、職員2人は22日に症状が急変し、
死亡した。1人は血液検査による初期診断で炭疽菌感染
が疑われた。もう1人は血液検査では感染していないこと
を示す陰性だったものの、症状から感染の可能性が高い
という。同長官は「職員の症状や死が炭疽菌に起因する
疑いがあることは明白だ」と述べた。
――と、血液検査で陰性だった職員まで「肺炭疽」とおぼしき
「症状」で死んでいるわけで……。
●上記のチグハグさは何でしょうね? あえて推測すれば――
【1】 既成の炭疽菌検査では検出できないような、まったく新奇の
炭疽菌が使われた……か、
【2】 じつは炭疽菌感染していない職員を、外見上「肺炭疽と
症状が酷似する」ような生物剤または化学剤を使って殺した……か、
――ってことになるんじゃないか?
● ……というわけで、この事件は今後どう展開していくか、監視
を続ける必要があると感じた次第。
■■■■@■■■.■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20011023k0000e030018002c.html
2001年10月23日
炭疽菌:
ワシントンの郵便職員2人、炭疽病死か
【ワシントン斗ケ沢秀俊】米国土安全保障局のリッジ長官は22日、ホワイトハウスでの会見で、ワシントンのブレントウッド郵便センター職員2人が肺炭疽(たんそ)病で死亡した可能性があることを明らかにした。診断が確定すると、米国の炭疽菌事件での死者は3人になる。ほかに同センター職員ら9人が感染している疑いもあり、事件は際限のない広がりをみせている。
リッジ長官によると、職員2人は22日に症状が急変し、死亡した。1人は血液検査による初期診断で炭疽菌感染が疑われた。もう1人は血液検査では感染していないことを示す陰性だったものの、症状から感染の可能性が高いという。同長官は「職員の症状や死が炭疽菌に起因する疑いがあることは明白だ」と述べた。
同センターでは、ほかに職員2人が肺に炭疽菌が感染する肺炭疽病で入院している。同長官によると、さらに9人に感染の疑いがあるという。詳細は公表されていない。
同センターは連邦議会の北東約5キロにある。86年に開設され、政府、議会関係約230カ所への郵便物を専門に取り扱っている。
ダシュル上院院内総務(民主党)の事務所に15日届いた炭疽菌入り郵便物を扱ったことが判明しており、これが感染源とみられている。
炭疽菌事件では、フロリダ州のタブロイド新聞社アメリカン・メディアの男性編集者が肺炭疽病で5日に死亡した。ほかにニューヨーク市の3大テレビ局とタブロイド新聞社ニューヨーク・ポスト、ダシュル事務所の関係者らの感染や保菌が確認されている。
ダシュル事務所関係者の保菌者数は当初31人と発表されたが、確定診断で感染していないと分かった例が3件あり、28人に減った。感染、保菌者総数は47人となる。
-----------------------------------------------------------
◆米国の炭疽菌事件◆(未確定の死者2人、感染9人は除く)
【肺炭疽病発症=4人】
アメリカン・メディア社男性編集者(63)=死亡
同社郵便物取扱室勤務の男性社員(73)
ブレントウッド郵便センター職員2人
【皮膚感染=6人】
NBCテレビ女性社員(38)
ABCテレビ来訪の7カ月男児
CBSテレビ女性社員(27)
ニューヨーク・ポスト紙女性社員(30)
ニュージャージー州の郵便局職員2人
【保菌者=37人】
アメリカン・メディア社員6人
NBC事件関連の捜査員1人、市職員2人
ダシュル上院院内総務事務所の関係者28人
[毎日新聞10月23日] ( 2001-10-23-12:37 )
■■■■@■■■.■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200110/22/20011023k0000m030091001c.html
2001年10月22日
炭疽菌:
ワシントン郵便局員が重体 肺炭疽病で
--------------------------------------------------------------------------------
【ワシントン斗ケ沢秀俊】ワシントンのアンソニー・ウィリアムズ市長は21日、ワシントン中部にある郵便局の男性職員が、炭疽(たんそ)菌が肺に入る肺炭疽病と診断され、重体に陥っていることを明らかにした。肺炭疽病と診断されたのはフロリダ州のアメリカン・メディアの社員2人(うち1人は死亡)に続いて3人目。感染者としては9人目。郵便局員は、民主党のダシュル上院院内総務の事務所に15日届いた炭疽菌入り郵便物を取り扱ったとみられている。
一方、下院議会の議員事務所ビルにある郵便物取扱室から炭疽菌が検出された事件で、議会警察は20日、ダシュル事務所への炭疽菌入り郵便物と接触した下院議員あての郵便物に、菌が付着していた可能性が高いことを明らかにした。
[毎日新聞10月22日] ( 2001-10-22-22:02 )
■■■■@■■■.■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200110/22/20011022k0000e030012000c.html
2001年10月22日
炭疽菌:
ワシントンの郵便局員が入院 肺炭疽病と診断、3人目
--------------------------------------------------------------------------------
【ワシントン斗ケ沢秀俊】ワシントンの保健当局は21日、ワシントン中央郵便物集配センターの男性職員が、炭疽(たんそ)菌が肺に入る肺炭疽病と診断されてバージニア州の病院に入院していることを明らかにした。重病だが、容体は安定しているという。米国の炭疽菌事件で肺炭疽病と診断されたのは、フロリダ州のタブロイド新聞社アメリカン・メディアの男性社員2人(うち1人は死亡)に続いて3人目。
この職員が勤めている集配センターは米連邦議会のダシュル上院院内総務の事務所に15日届いた炭疽菌入り郵便物を扱った。これが感染源になった可能性が高いとみて、保健当局は集配センターと別の郵便施設の2カ所で、炭疽菌の測定と職員の検査を始めた。
男性職員は最初、風邪に似た症状を示し、21日に入院した。発熱し、胸の痛みを訴えている。どの程度の炭疽菌を吸入したかは不明で、抗生物質の投与を受けている。
炭疽菌の感染により発生する炭疽病には、肺炭疽病と皮膚から感染する皮膚炭疽病があり、肺炭疽病はより危険性が高いとされる。炭疽菌事件での感染者は、皮膚感染も含めて9人となった。
[毎日新聞10月22日] ( 2001-10-22-10:21 )
■■■■@■■■.■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200110/22/20011022k0000m030126000c.html
2001年10月22日
炭疽菌:
ワシントンの郵便局員が肺炭疽病
--------------------------------------------------------------------------------
【ワシントン斗ケ沢秀俊】ワシントンの保健当局は21日、ワシントン中部にある郵便局の男性職員が、炭疽(たんそ)菌が肺に入る肺炭疽病と診断されたことを明らかにした。入院中で容体は安定しているという。肺炭疽病と診断されたのはフロリダ州のタブロイド新聞社アメリカン・メディアの社員2人(うち1人は死亡)に続いて3人目。郵便局員は、民主党のダシュル上院院内総務の事務所に15日届いた炭疽菌入り郵便物を取り扱ったとみられている。
一方、下院議会の議員事務所ビルにある郵便物取扱室から炭疽菌が検出された事件で、議会警察は20日、ダシュル事務所への炭疽菌入り郵便物と接触した下院議員宛の郵便物に、菌が付着していた可能性が高いことを明らかにした。
[毎日新聞10月22日] ( 2001-10-22-01:04 )