投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 09 日 18:54:36:
回答先: 銀行や映画館に放火、略奪 クエッタ(バルチスタン州)でデモが暴徒化 投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 10 月 08 日 21:46:58:
10/09 08:05 暴動の街、漂う催涙ガス 貧困など社会問題も背景に 外信10
【クエッタ(パキスタン西部)9日共同=田辺宏】米、英両軍に
よるアフガニスタン空爆に抗議する群衆が八日、暴徒化し、放火や
略奪が発生、約三十人が死傷したパキスタン西部クエッタ。貧困、
失業、渇水、難民といった多くの社会問題を抱えており、空爆への
怒りをきっかけに住民のうっぷんが一気に噴出した。暴動がいった
ん沈静化した市内を見て回った。
道には石が転がり、タイヤを燃やした跡が黒く残る。暴徒は商店
街の映画館や銀行、警察なども次々に破壊、放火を繰り返した。暴
動が沈静化してから数時間後も催涙ガスが漂う。どの交差点も武装
した警官が数十人ずつ配置され、厳戒態勢が取られている。
「スクリーンも映写機もすべて失ってしまった。市内では一番の
映画館だったのに」。イムダド通りにある映画館イムダド・シネマ
の経営者ハッサンさんは焼け跡の前でがっくり肩を落とした。
暴徒は八日午前九時前に突然、襲ってきた。「なぜ米国の映画な
んかを上映するんだ」。口々に叫び、館内に火を付け、屋根も落ち
た。残ったのは石造りの外壁だけ。共同経営者も「もう何も考えら
れない」と放心状態でつぶやく。
国連機関も標的となった。市内と空港を結ぶ幹線道路に近い国連
児童基金(ユニセフ)事務所は、看板が破壊され、敷地内の乗用車
五台が焼かれた。その火の勢いで事務所も延焼し、壁がすすけてい
る。
当時、治安上の理由で事務所に職員はいなかったが、警備員のア
リさんは「群衆はザヒル・シャー(アフガニスタン元国王)と米国
を非難するスローガンを叫び、塀を乗り越えた。次々に車に火を付
けていたので、怖くなり、いったん屋根裏に隠れたが、火が近づい
てきた。生きた心地がしなかった」と恐怖が消えない様子だ。
カーン所長は「子供や女性を助けるユニセフがなぜ襲われるのか
。群集心理は理解できない」と絶句する。だが、近くで焼け跡を眺
めていた中年の男性は「どうだ美しいだろう」と不気味な笑みを浮
かべた。
(了) 011009 0805
[2001-10-09-08:05]