ロシアの「全面協力」、背景に「チェチェン」正当化〔読売新聞〕

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 25 日 10:41:51:

【モスクワ24日=瀬口利一】
プーチン・ロシア大統領が24日までに、米軍の対アフガニスタン攻撃への全面協力姿勢を打ち出した背景には、米国がイスラム原理主義テロ勢力の包囲網を築くのに乗じ、これまで国際的非難を浴びてきたチェチェン・イスラム武装勢力の武力弾圧も「対テロ包囲網の一環」として米欧に認知させたい思惑がある。
プーチン大統領は22日、ドイツ・メディアとの会見で、「我々は、既に国際テロと前線で戦っている」と述べ、「ロシアは、広い範囲での対テロ闘争において、米国と協力する用意がある」と強調した。これは、同時多発テロを引き起こした原理主義テロ集団と、ロシア国内のチェチェン武装勢力とを同列においてチェチェン戦争を“正当化”しようとする露指導部の狙いを象徴的に示す発言だ。
実際、露当局は、同時多発テロ事件後、米国が引き渡しを求めるウサマ・ビンラーディンがチェチェン武装勢力と密接な関係を持っている、との情報を執ように流してきた。チェチェンの地元捜査当局は24日、同地域中部のアルグン村で、米世界貿易センタービル攻撃に関与した容疑者を逮捕し、計画図を押収したと発表。また、連邦保安局はこれに先立ち、米捜査当局がテロ容疑者として公表した兄弟2人がチェチェンで戦闘訓練を受けていた可能性があると公表したほか、ウスチノフ露検事総長もチェチェン武装勢力がビンラーディンから資金提供を受けている証拠があると指摘した。
これらの情報の真偽を断定的に論じる訳にはいかないが、「政治意図に基づく発表」との見方は強い。
北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に頑強に抵抗した経緯に象徴されるように、ロシアは元来、旧ソ連諸国を中心とする勢力圏内で米国が政治、軍事、経済的な権益を広げることを警戒してきた。アフガンに隣接するタジキスタン、ウズベキスタンで米軍の基地使用を認めることにも当初は慎重姿勢だった。
だが、ここへ来て対米協調姿勢に転じたのはほかにも理由がある。米国カナダ研究所のビクトル・クレメニュク副所長は「米国が強大な軍事力でタリバン政権をたたいてくれれば、ロシアが懸念するイスラム原理主義勢力の国内浸透を労せずして防げる」とプーチン政権の現実的な判断を指摘する。また、自国の領空通過を含め旧ソ連近隣国の対米協力取り付けで主導的役割を果たせば、独立国家共同体(CIS)盟主として一定のメンツを保てるとの読みもあるだろう。
(9月25日02:01)

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