自民党の田中真紀子・元外相の公設秘書給与流用疑惑で、小泉首相が17日、田中氏に党の質問書に書面で回答するよう求める異例の手紙を送った。しかし、田中氏は「対応に問題はない」として矛先を他に向ける姿勢を示した。
党政治倫理審査会の林義郎会長は同日、山崎幹事長、町村信孝幹事長代理と党本部で会談し、田中氏が16日の事情説明で「秘書給与をファミリー企業に届けていたことは認めたものの、全額が秘書に渡っていた」と説明したことを報告した。
ただ、「事実を裏付ける給与明細などの資料は提出されていない」(党幹部)うえに、首相の手紙もあって、山崎幹事長は田中氏に文書で再回答するよう求める督促文を18日にも送る考えだ。
これに対し、田中氏は17日、国会内で記者団に「自分でちゃんと期限を守り、質問事項をカバーするものを用意して説明した」と反論し、「党の幹部はご自分たちも週刊誌で疑念を持たれている。(山崎)幹事長も女性問題が報じられている。『まず隗(かい)より始めよ』だ」と続けた。
こうした田中氏の姿勢に対し、首相は同日夜、都内で記者団に「人のせいにしないで、自分のことをやるべきですね。まずね」とあきれ顔だった。
(4月18日01:48)