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40年後にはオゾン層回復 国立環境研など予測
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2001年9月、南極をすっぽり覆うほどに発達したオゾンホールの人工衛
星画像(NASA提供)
紫外線から生物を守るオゾン層に南極上空で穴が開くオゾンホールは、フ
ロンガス規制の効果で2040年ごろには発生しなくなるという予測を国立
環境研究所の永島達也研究員と高橋正明東京大・気候システム研究センター
教授らが28日までにまとめた。米地球物理学連合の学会誌に近く論文を発
表する。
地球温暖化が進行すると、成層圏のオゾン層では地表付近と逆に気温が下
がるため、オゾン層の破壊は長引くとの見方もあったが、永島さんらは詳細
な計算で、オゾン層がおおむね順調に回復に向かうことを確かめた。
オゾン層は、フロンガスなどに含まれる塩素によって壊される。フロンガ
スの普及につれオゾン層破壊が深刻化、1980年代から南極上空でオゾン
ホールが発生するようになった。
永島さんらは大気の動きや大気中で起きる化学反応をスーパーコンピュー
ターで詳細に計算。現在のフロンガス規制と並行して地球温暖化が進むとい
う条件下で、2050年まで南極と北極上空でオゾン層がどう変化するかを
予測した。
すると、南極のオゾン量は今後15年ほど横ばいを続けた後、30年代後
半に急増。オゾン層は回復に向かい、40年ごろにはオゾンホールは発生し
なくなるという結果が出た。
南極ほどオゾン層破壊が進んでいない北極では、2010年までオゾンが
減った後、ほぼ横ばいとなる。
米航空宇宙局(NASA)などのチームは、温暖化のために南極のオゾン
ホール発生は50年すぎまで続くと予測していた。
今回の結果は、温暖化による大きな影響は否定する内容。永島さんは「南
極のオゾン層を左右するのは結局、温暖化ではなく、大気中のほとんどの塩
素の起源であるフロンガス」と話している。
オゾンホール 成層圏のオゾンが、南極上空などでフロンなどから解離
した塩素によって破壊され、オゾンの層に穴が開くようにオゾン濃度が低下
する現象。主原因であるフロンは、冷蔵庫やエアコンの冷媒として使われた
が、先進国は1996年までに生産をやめた。オゾン層は太陽光の紫外線を
吸収しており、オゾンが減ると地表での紫外線量が増え、皮膚がんや白内障
が増える恐れがある。
http://www.sankei.co.jp/news/020528/0528sha057.htm