(回答先: 世界経済の回復に自信表明・G7閉幕(日経新聞) 投稿者 sanetomi 日時 2002 年 2 月 10 日 08:14:18)
【オタワ川俣友宏】オタワで開かれている先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)の共同声明案が9日、明らかになった。昨年9月の米同時多発テロ事件後、悪化していたG7経済は「拡大への見通しが強まってきた」と、テロの影響はほぼ克服したと宣言する。1ドル=134〜135円まで進んでいる円安については「引き続き注視し、適切に協力する」と、事実上、現状の水準を容認する見通しだ。G7は同日夕(日本時間10日朝)、共同声明を採択して閉幕する。
昨年10月のワシントンのG7では、テロによる世界同時不況への強い懸念を表明した。その後、米経済が景気後退に陥るなど危機的な状況もあったが、米経済が回復の兆しを鮮明にしてきたこともあり、テロ不況からの脱出を強くアピールする。
声明では、日本、米国、欧州といった地域別の経済状況の分析は行わず、各国が先行きへの警戒を怠らずに持続的な回復を促進する適切な手段を講じる決意を表明するにとどまる。
G7内では日本の長期的な景気後退を問題視する声が高まっており、声明では言及されないものの、会議では欧米各国から不良債権の早期処理や本格的なデフレ対策を迫られるとみられる。
声明はまた、昨年10月の前回G7で打ち出したテロ資金対策の「G7行動計画」に沿った各国の努力を評価、さらなる行動の必要性を訴える。G7は今回もテロ資金対策に関する特別声明を出し、テロ資金封じ込めのための勧告を各国が受け入れているかどうか審査する枠組みを国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)、金融活動作業部会(FATF)などが構築することを提案する。
アルゼンチンの経済危機に関しては、同国が経済成長を高めて海外からの投資を呼び込むため、経済改革プログラムの策定に向けてIMFなどと協調するよう要請する見通し。
◇G7声明案の骨子
一、テロ資金対策は大きく前進、さらなる行動が必要。
一、G7経済は再び拡大する見通しが強まった。
一、引き続き為替市場を注視し、適切に協力。
一、ユーロの導入成功を歓迎。
一、国際金融危機における国家の過剰債務問題について、IMFの提案を歓迎。
一、ロシアの世界貿易機関(WTO)早期加盟の重要性で一致。