(回答先: 日本、G7で構造改革が国内経済には必要不可欠と再表明へ=同行筋[オタワ 8日 ロイター] 投稿者 sanetomi 日時 2002 年 2 月 09 日 21:24:54)
【オタワ川俣友宏】出口がなかなか見出せない日本の経済低迷が、世界経済の回復を阻
害しかねない問題として再浮上してきた。景気低迷に底打ち感が出て来た米国を含め、欧
米経済は今年後半までに回復に向かうとの見通しが強まっている。このため、オタワで開催
中の先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、回復の糸口がつかめない日本の出
遅れが目立つ構図になっており、塩川正十郎財務相らは厳しい立場に追い込まれそうだ。
米国での同時多発テロ事件の影響で、世界同時不況の懸念が高まっていた中で開かれ
た昨年10月のG7(ワシントン)では、「テロには屈しない」というメッセージも込めて世界経
済の回復に向けて先進国が一致協力することを確認した。日本の景気悪化問題も、テロ不
況懸念に飲み込まれる形で主要なテーマにはならなかった。
しかし、日本を取り巻く環境は変化してきている。米国経済はテロ事件直後に見込まれた
よりも早期に底を打つとの観測が広まりつつあり、焦点は今後の回復テンポに移り始めてい
る。欧州もドイツの財政悪化などの問題が残っているものの、今年後半には回復基調に戻
るとの見方が強い。国際通貨基金(IMF)が今年、マイナス成長を予測しているのはG7の
中で日本だけだ。
日本が世界経済の足を引っ張る“お荷物”となりかねない状況だ。今回のG7では、これま
で日本の経済運営に具体的に注文を付けるのを控えてきた米国などから、プラス成長への
回帰を強く求められる公算が大きい。実際、G7に出発する前の会見でオニール米財務長官
は「日本が世界経済の成長につながる必要な措置を取って欲しい」と述べ、景気回復に向
けた政策努力を求めている。
塩川財務相は株安・債券安への対策として、株式買い取り機構による銀行保有株の早期
買い取りや個人の長期国債保有促進のための優遇税制導入などをG7で説明する方針だ
が、“対症療法”の域を出ないだけに各国の理解が得られるかは不透明だ。
株価がバブル経済崩壊後の最安値水準に張り付き、債券価格も下落、円安と合わせて
「日本売り」の色彩が一段と強まりつつあるのは、こうした日本の政策手詰まりを見込んだ
動きとも言え、日本の経済政策運営はまさに正念場を迎えている。