塩川財務相は、明日9日に行われる7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)全体会合では、各種の構造改革が日本経済には必
要不可欠であるとの、従来の姿勢を繰り返し表明する。
G7日程最初の公式行事であるこの日のワーキングディナー終了後に、財務省同行筋が明らかにした。
この同行筋によると、国会では第2次補正予算がすでに成立していること、失業率が史上最悪の状態にある雇用問題、そして財政・金融政策などについ
て、塩川財務相や速水日銀総裁がG7各国に説明する。
同行筋は、「各種の構造改革が日本経済にとって必要不可欠である」との姿勢を表明すると述べたが、具体的な方策についての言及は控えた。
この同行筋は、日本政府としては、足元の経済や景気、あるいは物価動向をにらんだうえで、雇用状況などを考慮しながら、構造改革に向けて尽力してい
る姿勢を示す、との意向を明らかにした。
塩川財務相は、G7への出発前の8日、閣議後の記者会見で、銀行の保有株式買取機構の来週早々の稼働やカラ売り規制、個人の長期債保有に対する
インセンティブなど、株・債券安への対応策をG7で表明する方針を明らかにしていた。
この財務省同行筋は、こうした日本政府の姿勢に対する各国の反応について、事前に推測することは困難としたが、塩川財務相はワーキングディナー出席
に先立ち、会合では不良債権対策など日本政府が打ち出す政策が、国内経済の回復につながると確信しているとし、「世界に対して日本は自信を持って
いる」姿勢を打ち出す、と述べている。
また同財務相は、低迷している国内経済について、「今後1―2年の間に変わってくる」と述べた。
財務相は8日の東京での閣議後の記者会見で、「G7に行くにあたり、各国は、日本経済をどうするのか、不良債権処理をどうするのか、昨年と違い相当な
迫力で迫ってくる」と述べていたが、この同行筋はこの日オタワで、日本経済は世界第2位の規模を有するものであり、関心が寄せられるのは事実である
が、「身構えるような事態にはならない」と述べている。