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分析「日本の政治を読む」〜小泉首相、改革推進で正面突破へ[PAXNet] 2002/02/04 09:34:00

投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 2 月 04 日 12:34:49:

【政局の焦点】

●「異常」だった高支持率

小泉純一郎首相は「政界一寸先は闇」との故川島正次郎自民党副総裁の言葉をしみじみと噛みしめているに違いない。誰がついこの間まで80%ほどもあった内閣支持率が、一夜にして30ポイントも下落すると考えただろうか。しかし熱狂から冷めた今、冷静に考えてみて田中真紀子外相の更迭はやはり正しかったと断ぜざるを得ない。それはこの9カ月間、全くの機能不全に陥っていた日本外交がやっと正常に復するということももちろんあるが、そもそも8割近い国民が支持する政権とは一体何だという根本的問題がある。
身近ではブッシュ米政権の支持率83%の例もあるが、あれは同時テロとその後のアフガン報復攻撃という戦争時にみられる一種のフィーバーで、いずれは冷めるもの。父親のブッシュ・シニアも湾岸戦争時90%近くまで支持率が上昇したが、その後急落し、若いクリントンに取って代わられた。
小泉首相の場合、平時でしかも国民に「痛み」を強いる政策を打ち出しながら高率を維持するというところに、非凡さがあった。恐らく分かりやすい平易な言葉が、従来の政治家に比して「正直」「誠実」と評価され、女性層を中心に国民的人気を博したのだろう。しかし、残念ながらこの「人気」は首相が訴える方針や政策を理解した上でのことではなく、かなり情緒的でしかなかったことが今回判明した。つまり今までが「異常」だったのだ。
内閣支持率については、とかく極端に触れやすい電話調査ではなく、より正確な結果が得られる面接調査を待たなければならない。ただ小泉政権の「潮目」となる50%を超していれば、それでも歴代内閣ではかなり高い方に属しているだけに、政権運営にはそれほど影響しないのではないか。もちろん抵抗勢力がこれを機に反転攻勢に出てくることは十分予想される。しかし首相にとっても、構造改革をこれまで以上に果敢に進めること以外に道はない。首相自身が述べているように「窮地に陥った時にどのような態度を取るか、それが政治では大事だ」。道なき道を行くのは小泉首相に課せられた天命であろう。

●財政政策転換なら「日本売り」

今後の政局を見た場合、年初の「長期政権の可能性」の見通しが不透明になったことは事実だ。また任期満了かとみられた衆院選も解散・総選挙の可能性がにわかに高まったこともその通りだろう。しかし強調しておきたいが、少なくとも田中真紀子氏が自民党を出ることはあり得ないし、ついていく者もいない。また野党で同氏を受け入れる所もないだろう。今後、何らかの「話題」に取り上げられることはあっても、同氏が一党一派を率いることなどないし、彼女を閣僚に起用しようと考える政治家は、恐らくもう出て来ないだろう。
再確認しておかなければならないことがいくつかある。第1に、仮に解散・総選挙となると1カ月半くらいは「政治空白」を覚悟しなければならず、経済・金融が危機的状況にある今、その余裕があるかということ。第2に、「政治空白」とそれに伴う「行政の停滞」の結果もたらされる被害が出た場合、その批判は一体誰に向けられるかということ。第3に、もし「小泉改革」を否定され、内閣が総辞職する場合、誰が後継首相となるのか、現状ではまだ見当たらないこと。第4に、もし大型の公共事業予算を組むなど従来の財政政策に戻った場合、まず間違いなく、外国人投資家による「日本売り」が始まること―などである。

●「徳俵」にかかった小泉改革

従って現状での結論は、小泉首相は決して抵抗勢力の圧力に屈さず、「正面突破」で早く一つでも二つでも改革の実を上げることが重要だ。少なくとも現在起きている経済的現象は構造改革の結果ではなく、改革の手を緩めれば、この状況はさらに悪化の一途をたどることを再認識することだろう。その意味でも抵抗勢力の象徴的存在である「道路」については不退転の決意で臨む必要がある。日本道路公団などの民営化策を検討する第三者機関「道路関係四公団民営化推進委員会」の人選が当面の焦点だが、首相は国会の同意人事としないという当初方針を貫くべきだ。何にしても、ここでずるずると後に下がれば、政権そのものがなくなってしまう。相撲でいう「徳俵」にかかっていると言えよう。

●外交はばん回の大きなチャンス

次に、外交はばん回の大きなチャンスだろう。幸い川口順子外相は前任者に比べ非常に優秀だ。緒方貞子氏への期待が大きかったのは事実だが、高齢に加え、国内を全く知らないことは、仮に外相を引き受けていても大きなハンディとなっていただろう。国際会議の議長と一国の国益を担う外相とは根本的に役割が異なる。長期間の国会答弁という大きな負担もある。その点、川口新大臣の環境相としての手堅さと国際会議での英語を駆使した駆け引き能力はもっと評価されてもいいのではないだろうか。
次に、外務省改革は当然のごとく進められるべきだ。「田中さんに代わって、外務省改革が進まなかったと言われるのが一番頭にくる」と就任の記者会見で強調したように、川口外相も相当の覚悟で同省改革に取り組む決意だ。大事なことは、外務省員が数々の不祥事の反省を決して忘れことなく、省改革を絶対にとん挫させないことだ。改革を成し遂げ、その成果を国民に見せることでのみ、田中外相を拒絶した正しさが証明される。
さらに、外務省と鈴木宗男氏との関係は、まさに小泉首相が進めようとしている与党の事前審査制見直しの問題と密接に関わってくる。首相が予算委員会で「外務省が影響を受け過ぎた。今後、鈴木議員の影響力は格段に少なくなる」と言明しており、各省庁と与党議員との関係は見直されるのだろう。しかし、そのこととは別に、外務省員、特に幹部はもっと外交に対して「志」を持つべきではなかろうか。本当に自分が命を賭ける仕事として外交を選んだという自覚があれば、国会議員に対してもおのずから迫力が違うはずである。何か頼む時だけぺこぺこして、怒られそうな時は逃げの姿勢では相手になめられるだけだ。それに立ち向かう勇気は「志」や「信念」以外にない。

●NGOは政府から補助金を受けるべきではない

ついでに、新聞やTVがほとんど報じないNGO(非政府組織)の在り方についても触れたい。今回の一連の騒動を通じてマスコミはほとんどすべて、NGOの言うことが正しいことを前提としていたが、本当にそうなのか。そもそも「非」政府組織というのはボランティアの集まりであり、費用は自己負担(一般から浄財を集めるにしても)が大原則ではないのか。つまり手弁当でできる範囲でやることに最大の意義がある。政府から援助を受けることは「ひも付き」となり、「政府依存組織」に堕してしまう恐れがある。それは本来の趣旨とはかけ離れよう。政府主催の会合に無理して参加する必要もなく、自分たちで別の独自の会合を持てばいいのではないのだろうか。何も都内の豪華なホテルに各国外相らと席を同じくすることはない。
その点、今回、騒動に巻き込まれた形の団体が外務省から5億円以上もの補助金をもらっていることは、一体どう説明するのか。さらにこれだけの額の公金(税金)を受け取りながら、「お上を信用しない」などと言ってはばからないのでは、外務省の担当者も面子がなかろう。国から地方自治体に補助金を出したのに、その自治体の首長が新聞のインタビューで「国は信用できない」と言っているようなものだからだ。つまり、こういうことを含め自由にモノを言うためにもNGOは政府からカネをもらわず、独立すべきと思う。これがNGO本来の在り方というものだろう。
(政治アナリスト 北 光一)




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