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(回答先: 深刻な国語 全体に影響(産経新聞) 投稿者 sanetomi 日時 2002 年 2 月 03 日 10:32:14)
高三生の学力低下が多くの科目で顕著であることを示している。西村和雄京大教授と私は、若年層の学力低下を数学の学力から取り上げてきた。岩波新書「大学生の学力を診断する」でも書いたが、すべての科目で数学と同じことが起こっている。これは、日ごろから学生に接している現場からの悲痛な声である。
若年層の学力を問題とする場合はさまざまな尺度・観点で考える必要がある。対象とする年齢、問題の難易度・傾向などである。大学生の学力低下が問題となったときの行政側の反論は、小中学校生対象の簡単な問題の正答率などをあげるピンぼけなものであった。
国数英理社の五科目を三年生全員が受験する点で、高レベルの高校が調査の対象である。この層での学力低下が明確に示された。問題のレベルはセンター試験形式で、大学で専門的なことを学ぶ基礎としては低いものである。問題を大学入試の二次試験レベルのものにすると、若年層が弱点とする論述力・論理力が必要となり、低下はより顕著となるだろう。逆に、このレベルの問題に対し六年でこれだけ低下したのは衝撃的である。低下していない英語も調査対象校の先生方が、かなり低下していると考えていたが、大学教員が同感するところである。英語に限らず、大学入試で論述力を試すようにしなければいけない。
この調査は今後の教育改革に多くの示唆を与えてくれる。今後とも多くの尺度で日本の若年層の学力を明らかにして、遠山敦子大臣が最近明らかにした学力を重視する教育行政への転換をより実り多いものにしなければいけない。(寄稿)