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一日の東京市場で株、円、債券がそろって下落するトリプル安が進んだことで、大型倒産が相次ぎ、金融システム不安が高まる「二月危機」が一気に現実味を帯びてきた。八日にカナダのオタワで先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開幕。中旬にはブッシュ米大統領が来日する。日本の経済政策に対して、欧米から厳しい注文が突き付けられることは必至の情勢で、「大手銀行への公的資金投入は避けられなくなった」との見方が強まっている。(池井戸 聡)
一日の東京株式市場には悲観的な空気が充満した。東証株価指数(TOPIX)の終値は先月三十日に続き、またもバブル後最安値を更新。準大手証券のアナリストは「田中真紀子前外相の更迭と緒方貞子氏の外相就任の辞退は、小泉政権の支持率にはダブルパンチ。政局が不安定では不良債権処理は加速せず、株価は下落するしかない」と悲観的な見方を示した。
今年に入り、大手スーパーのダイエーが、主力行の債権放棄を含む経営再建策の骨子を発表。準大手ゼネコンの三井建設と住友建設も経営統合の検討を発表するなど、多額の債務を抱える企業の再建は、軌道に乗りつつあるようにみえる。
しかし、こうした動きに対して「問題の先送りにすぎない。不良債権処理は遅れている」と指摘する市場関係者は多く、株価は低迷を続けてきた。ここにきて、国内ハイテク企業の業績不振に政局の混乱が加わり、「二月中に日経平均株価は、九三〇〇円程度まで下落してもおかしくない」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)との声も出始めた。
構造改革の後退で不良債権処理が遅れれば、「財政再建への期待も薄れ、さらに長期金利は上昇する」(ニッセイ基礎研究所)懸念も急浮上している。昨年十−十二月期の実質国内総生産(GDP)が、予想外のプラス成長となった米国経済は「底入れ」の気配を示しており、これが円安ドル高進行の要因になる可能性も高い。日本経済は危機を乗り越えられるかどうかの正念場を迎えた。