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31日午前の債券相場はもみ合い。3月決算期末が近づくなか、日経平均株価が再び1万円を割り込むなど株価低迷で投資家のリスク許容度が大幅に低下しているうえ、小泉純一郎首相の田中真紀子外相更迭に伴い、今後の政権運営への悪影響が懸念された。一方、10年国債利回りが昨年4月以来となる1.5%に上昇すれば、運用難の投資家の買い需要が盛り上がるとの期待も強まっていた。
UFJキャピタルマーケッツ証券の道家映二シニアストラテジストは、「10年国債利回りの1.4%と1.5%とでは意味合いがまったく異なる。1.5%という水準は象徴的なものであり、この水準を上抜けすると今年度に購入した長期債はほとんど損失が出ることになる。1.5%という水準は堅いとみており、10 年債ゾーンは徐々に底値を固めそうだ」と言う。
先物3月物は30日の終値(136円37銭)比18銭安の136円19銭で始まり、 25日に付けた直近安値(136円25銭)を更新した。直後に136円10銭まで下げたものの、この水準からは買い戻しがやや優勢で下げ幅を縮小。結局13銭安の136円24銭で午前の取引を終了した。
取引開始直後に安値を付けたのは、30日のロンドン市場で、同日の東京市場の終値に比べて20銭安で終了した流れを受けた。また、この日は先物オプション2月物の最終売買日にあたり、権利行使価格136円のプット(売り権利)の建玉残高は30日現在で3366億円と高水準のため、仕掛け的な売りが入ったとみられる。
この日の株式相場は下げ止まっているものの、日経平均は1万円を回復しておらず、需給懸念などから引き続き不安定な展開が見込まれる。小泉首相による田中外相の更迭問題で、高い内閣支持率が低下するとの観測を背景に、これまでの政府の改革路線が修正に迫られるといった懸念も浮上している。
このため、押し目買いで債券相場が反発しても下値不安は払しょくできない。トヨタアセットマネジメントの濱崎優シニアアナリストは「3月決算期末の接近で投資家は一段とリスクを取りにくくなっており、節目とされる1.5%でどの程度の買いが入るかどうかを注目している」と指摘する。
現物は一時1.495%
現物市場で10年物の新発236回債利回りは、前日の終値1.485%を上回る(価格は下落)1.490%で始まり、一時は1.495%で取引が成立した。
日興ソロモン・スミス・バーニー証券債券本部の佐野一彦チーフストラテジストは「相場的には少なくとも1回は236回債利回り1.5%の攻防をやらないと気がすまない。きょうは最初の1.5%の攻防だ」と言う。
29日に実施された10年国債入札がやや低調となり、日経平均の大台割れで都市銀行をはじめとする投資家は新規投資に慎重姿勢が強い。市場では表面利率(クーポン)1.5%の新発236回債の価格が100円付近まで下落しないと積極的な買い需要は見込めないとみられている。実際に証券会社の店頭では1.5%の 100円には大量の買い指し値が入っているようだ。
一方、中期債相場は引き続き軟調。残存5年ゾーンには都市銀行などから決算に向けた益出しの売りが出やすいうえ、海外投資家からは円安基調を背景にした先物売りが断続して出ている。中期ゾーンの押し目買いは、現状では長期ゾーンより弱い。市場では来週7日に実施される5年国債(2月債)入札を乗り切れば、徐々に中期債も落ち着きを取り戻す」(道家氏)とみられる。
(債券価格) 前日比 利回り長期国債先物3月物 136.24 -0.13 1.743 売買高(億円) 12209 236回債 100.08 1.490(+0.005)