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小泉純一郎首相は17日夕、首相官邸で開かれた政府税制調査会(会長・石弘光一橋大学長)総会に出席し、「税制改革は構造改革の大黒柱」と掲げ、「新しい時代に対応する、在るべき税制改革とはどういうものか、本格的な議論に取り組んでいただきたい」とはっぱをかけた。そのうえで、議論の成果を2003年度予算に生かしていきたいとの意向を示した。
首相は、昨年12月、所得税の課税最低限の引き下げや道路特定財源の見直し、環境税としての炭素税の導入、地方交付税制度の見直しなどの具体例を挙げ、「大きな視点から議論してほしい」と石会長に指示。税制の抜本改正をテーマに、年末の年次改正にあわせて集中的に行われる政府税調の前倒し審議が行われるきっかけとなった。
この日の総会で、首相は「誰もが負担し、努力が報われる。そのような税制改革をぜひともしてほしい」という自らの考えを披露。そのうえで、「歳出と(税)負担、財政と税制は密接に関連がある。どの程度の支出に対して、国としてどの程度の施策が必要かということから、どの程度の負担が必要かという観点も大切だ」と述べ、税制の抜本改正の前提として「税収の中立」をあえて掲げる必要はないとした。
また、首相は「税金を負担していない人でも負担している人でも日本は税金が思いというのが一般的。特に負担していない人の声が大きい。統計で見ると、日本は先進国の中で一番税負担が低い。しかし、重税感がある。税制改革はいかに難しいかは承知している」とし、税制改正に向けた覚悟のほどを示した。
一方、首相が議長を務める経済財政諮問会議でも並行して税制をとり上げることについて、「諮問会議と政府税調はメンバーも違う。どういう役割分担になるか分からないが、お互いの領域を侵犯する縄張り争いをやめようということだ。(自民)党税調も含めて自由に議論する中で税制のあるべき姿が集約されるのではないか」との見方を示した。
この、税制議論の「棲(す)み分け」については、総会に出席した塩川正十郎財務相も財務省としての考えとして、「諮問会議には(課税ベースが縮小している)税の空洞化や国と地方税のあり方など税の基本的な問題について考え方をまとめてもらいたい。政府税調にはこれを受けて、両論併記の考え方を出してもらいたい」という位置付けを明らかにした。
また、党税調との関係においては「適宜適切に党税調からの要望を政府税調につなげ、意見交換をしてもらいたい」とした。